【仕事と介護の両立支援】 認知症の親の介護をするとき

【仕事と介護の両立支援】 認知症の親の介護をするとき

この記事では、認知症の親の介護をするときについて解説します。

認知症の親の介護をするとき!

親が認知症と診断されると、「いつか、介護のために仕事を辞めなければならなくなるのでは」と不安になる人は多いです。
Tさん(51歳)の母親はTさんの家から 車で20分ほどの実家で1人暮らしをしています。認知症と診断されたのは1年ほど前です。受診し、薬を服用していますが、少しずつ病状は進行。要介護1と認定されており、デイサービスとホームヘルプサービスを利用しています。Tさんは、週に2回は仕事帰りに様子をのぞきに行くようにしています。「先日、母は外出先から戻れなくなり、交番から電話がかかってきました」とTさん。
現在、母親はトイレには1人で行くことができ、食事は毎夕食、お弁当の宅配サービスを利用しています。朝食はパンを食べ、昼食はヘルパーに用意してもらったり、デイサービスで食べたり。「今は、何とかなっていますが、時間の問題でしょう。施設に入れるのはかわいそうなので、僕が仕事を辞めて看るしかないと考えています」とTさん。
確かに、今後、誰かがそばにいなければならない時間は長くなっていくでしょう。Tさんが仕事を辞めれば、一緒に居られる時間は増えます。けれども、仕事を辞めて、生活費はどうするつもりでしょう。やりがいのある仕事を辞めて後悔しませんか。もし100歳まで生きるとすれば、Tさんの余命は49年、まだ人生の折り返し地点です。「施設はかわいそう」と決めつけず、一度、見学してみましょう。実際に自分の目で見ると、「施設も悪くない」と考える人は少なくありません。親本人にとっても、プロによる介護は安心感を得られるケースもあります。
Tさんの母親も、自分の介護のためにTさんが仕事を辞めることを望んではいないはずです。
◆子が親の施設入居を決断するタイミング例◆
 ○親が1人でトイレに行けなくなったとき
 ○親が火の始末をできなくなったとき
 ○親が食事を食べなくなったとき
 ○親が1人で外出先から戻れなくなったとき
 ○介護者までが共倒れしそうになったとき
提供元:介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子

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