認知症予防に役立つ「地中海食」とは、どんな食事?

認知症予防に役立つ「地中海食」とは、どんな食事?

イタリア、ギリシャ、スペインなど地中海沿岸の国々の人が食べている伝統的な料理「地中海食」。日本人にとってはあまり馴染みのない食事形式かと思いますが、この地中海食は認知症予防に効果が期待できると考えられています。

地中海食って?

地中海食とは、地中海沿岸の国々で伝統的に食べられている食事形式のことで、下記のような特徴があります。


・野菜やフルーツを豊富に食べる
・魚介類を習慣的に摂取している
・肉類は鶏肉を多めにし、牛肉や豚肉の摂取はごく少量
・オリーブオイルを多く使う
・豆類やナッツの摂取量が多い
・週に数回、低脂肪のヨーグルトやチーズを摂取する
・食事と一緒に適量の赤ワインを飲む
・ソーセージやハムなどの加工肉の摂取は最小限
・お菓子やケーキなどデザートの摂取は最小限

地中海食は認知症予防に効果的?

地中海食は、高い記憶力・思考力を維持する効果があり、認知機能の維持にも役立つと考えられています。

まず、海外の医学誌「JAMA Internal Medicine」で2015年に掲載された論文によれば、バルセロナに住む平均67歳の450名を対象に、7年間の食生活を比較する研究を行ったところ、「地中海食ではない低脂肪食を摂取したグループ」と比べ、「地中海食+週1Lのエクストラバージンオリーブオイルを摂取したグループ」「地中海食+1日30gのナッツ類を摂取したグループ」の方が、記憶力・思考力が高く維持されていたことがわかったそうです。

また、アメリカのテンプル大学の研究チームが行ったマウス実験によれば、オリーブオイルを与えたマウスは、与えられていないマウスと比べて認知機能が高く、アミロイド斑(アルツハイマー病の原因)も少なかったことが判明しました。後者の研究はマウス実験ですが、人間でも同様のメカニズムが起こると推察されます。

「不飽和脂肪酸」「抗酸化物質」が認知症予防に有効

地中海食が認知症予防に優れているのは、食事から「不飽和脂肪酸」「抗酸化物質」を多く摂取するからだと考えられます。


・不飽和脂肪酸:脳の血管や細胞膜の材料になる
・抗酸化物質:血管の老化原因となる酸化ストレスを抑制する


地中海食で多く取り入れるオリーブオイル、ナッツなどに含まれる「オメガ3」は、不飽和脂肪酸です。上記の食材に豊富に含まれる「オレイン酸」も不飽和脂肪酸の一種です。

人間の脳の神経細胞は、「髄鞘(ずいしょう:脂肪とタンパクの層)」で保護されており、この髄鞘に最も多く含まれる脂肪が「オレイン酸」であるため、オリーブオイルやナッツ、アーモンドなどからオレイン酸を摂取することで、脳の健康が向上すると考えられています。

また、動脈硬化も脳血管性認知症の発症リスクの1つであることから、認知症予防のためには血管の老化を防ぐことも重要になってきます。

動脈硬化は悪玉(LDL)コレステロールが酸化することで起こる現象ですが、オリーブオイルやワインに含まれる抗酸化物質・「ポリフェノール」が、この酸化を抑制してくれます。

そして地中海食の、悪玉コレステロールを上げる「飽和脂肪酸」を含む肉類の脂の摂取量がかなり少ないという特徴も、動脈硬化による認知症予防に役立つとされています。

おわりに:地中海食を取り入れ、食事から認知症予防を

認知症の発症には、日々の食生活が密接に関係しています。地中海食は認知症予防だけでなく、動脈硬化や生活習慣病予防にも効果が期待できる健康食なので、「肉中心の食生活から魚メインの食事に切り替える」「調理時はオリーブオイルを使う」などできるところから取り入れていきましょう。


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