【仕事と介護の両立支援】遠距離介護も選択肢に

【仕事と介護の両立支援】遠距離介護も選択肢に

Uターンも呼び寄せもできない場合に、必然となる方法が「遠距離介護」です。この記事では、遠距離介護について解説します。

遠距離介護も選択肢に!

遠くに暮らす親に支援や介護が必要になると、多くの子は「一緒に暮らす」方法を模索しますが、自分が親元に戻ると、仕事を継続できません。そこで、親に自分の家か、その近所に来てもらおうと「呼び寄せ」を提案します。しかし、多くの親は「住み慣れた土地を離れたくない」と言います。Uターンも呼び寄せもできない場合に、必然となる方法が「遠距離介護」です。

Aさんの母親は700km離れた実家で1人暮らしをしています。Aさんは1~2カ月に1度、帰省。半年に1度は帰省前に母親のケアマネジャーにアポイントを取り、直接会って、母親の状況や利用するサービスについて話し合います。母親は介護保険で「要介護1」の認定を受けており、デイサービスのほか、ホームヘルプサービスを利用。掃除やシーツなどの大物の洗濯をお願いしています。
帰省時には、ケアマネジャーだけでなく、母親の通院にも同行して医師とも顔を合わせるようにしているとか。「先生と顔見知りの関係になっているせいでしょう。母親のようすが気がかりな時など、電話でも相談に乗ってくれます。いい先生なんです」とAさんはにっこり。

そして、自宅と実家の往復には航空会社の「介護割引」を使っています。早割ほどは安くないものの、普通運賃と同じように当日予約できるので、多忙な身には助かると言います。
 「将来的には、地元を離れたくないという母の意思を尊重して実家の市にある特別養護老人ホームに申し込む予定です」とAさん。特別養護老人ホームは「要介護3」から申し込むことができます。満床で待機期間があることが一般的ですが、介護者が遠方にいる場合は入居の優先順位は高まる傾向があります。
直接介護はサービスにまかせ、子は「司令塔」に。親の生活環境をうまく整えることができれば、安心して仕事を継続できます。

遠距離介護ではケアマネジャーや親の周囲との連携を密に取り、子は司令塔に!

◆さまざまな支援・サービス◆
・ケアマネジャー(介護支援専門員)
介護保険制度で、サービス利用者の生活や介護に関わる相談に応じ、適切なサービスを利用できるよう連絡調整等を行う
・デイサービス
介護保険制度で、「通所介護」とも呼ばれる
日帰りで施設に通い、入浴や食事、機能訓練などの介護サービスを受ける
・ホームヘルプサービス
介護保険制度で「訪問介護」とも呼ばれ、ホームヘルパーに自宅を訪問してもらい、身体介護や生活援助を受ける
提供元:介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子

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