尿路結石の原因と食生活の注意点

尿路結石の原因と食生活の注意点

結石とは尿中に含まれる成分が結晶化したものであり、尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道からなる尿の通り道)に結石ができる疾患を尿路結石と言います。この記事では、尿路結石の原因と食生活の注意点について解説します。

尿路結石の原因

尿路結石ができる原因ははっきり分かっていませんが、シュウ酸・尿酸等の物質が体内に増えることが主な原因と考えられており、これらの成分は肉類(動物性たんぱく質)を多く摂取すると増加しやすくなります。結石にはシュウ酸カルシウム結石・リン酸カルシウム結石・尿酸結石・シスチン結石・リン酸アンモニウムマグネシウム結石等がありますが、尿路結石の多くが「シュウ酸カルシウム結石」であると言われています。

シュウ酸はカルシウムと結合しやすい性質があり、腸内でカルシウムと結びつくと便と一緒に排泄されます。肉類に偏った食生活等でシュウ酸の摂取量が過剰に増えると、尿中に出てくるシュウ酸も過剰に増え、尿中でカルシウムと結合して石のような塊となり、尿路結石を発症します。尿路結石を発症すると、脇腹から背中にかけての痛み・下腹部の痛み・排尿痛・頻尿・残尿感・吐き気・おう吐等の症状が現れます。

尿路結石の主な原因はシュウ酸の過剰摂取と言われていますが、以下が原因になる場合もあり、複数の原因が複雑に関与することで発症する可能性もあります。

・水分不足
・マグネシウム・クエン酸(結石を抑制する作用がある)の不足
・尿路感染症
・痛風(高尿酸血症)
・尿路奇形
・副甲状腺機能亢進症
・副腎ステロイドの長期使用 等

食生活の注意点

尿路結石の発症には食生活が関係しているため、予防のため、以下に注意しましょう。

・シュウ酸を多く含む食べ物・飲み物を過剰摂取しない:肉類・ほうれん草・チョコレート・コーヒー・紅茶等にシュウ酸が多く含まれる
・寝る4時間前までに夕食を済ませる:結石に関係する成分の尿中排泄は、食後約2時間から4時間がピークになるため
・カルシウムを適度に摂取する:シュウ酸が便と一緒に排泄されやすくなるため
・クエン酸を適度に摂取する:シュウ酸カルシウム・リン酸カルシウムの結晶形成を抑制する作用があると言われているため
・塩分を摂りすぎない:カルシウム結石の危険因子となるため


尿路結石を予防するには、水分補給も大切です。1日2000ml以上の水分をこまめに摂ることを目安にし、コーヒー・紅茶ではなく水・麦茶・ほうじ茶等を摂ることが望ましいと言われています。なお、糖分を多く含む清涼飲料水(加糖のジュース・ソーダ等)を過剰に摂ると、尿中のカルシウム濃度が上がりやすくなるため控えるようにしましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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