認知症を予防するために、日々の食事で気をつけることとは?

認知症を予防するために、日々の食事で気をつけることとは?

超高齢化が進む日本では、2018年時点、高齢者の約7人に1人が「認知症」とされています。どのような方も認知症になる可能性はあるわけですから、できるだけ早いうちから認知症予防に取り組む必要があるでしょう。
この記事では、日々の食事で実践できる認知症予防法をご紹介していきますので、ぜひ参考になさってください。

認知症予防には食事が重要?

認知症には様々な種類があり、発症の原因はまだ完全には解明されていません。ただ、加齢や遺伝、頭部の外傷、さらに生活習慣病が主な発症リスクと考えられています。

糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満などの生活習慣病は、「動脈硬化」(血管に弾力がなくなり、血流が悪化した状態)の要因になります。
動脈硬化が進行し、脳の血管が詰まったり破れたりして脳梗塞や脳出血の状態になると、脳の神経細胞が、「脳血管性認知症」を発症することがあるのです。

つまり、動脈硬化と関連が深い生活習慣病をお持ちの方は、それだけ認知症の発症リスクが高いといえるでしょう。
生活習慣病の要因のひとつは乱れた食生活ですから、認知症を予防するには「食事を見直す」ことが重要になってきます。

認知症予防におすすめの食事とは?

上でも説明したように、認知症の予防には生活習慣病を予防することが大きく関わっています。
生活習慣病を防ぐための食事のポイントは、以下の通りです。

栄養バランスの良い食事を心がける

タンパク質や脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの栄養バランスがとれた食事をすることで、脳に必要な栄養素であるEPAやDHA、葉酸、ビタミンCやEもバランスよく摂取しやすくなります。

より多くの食材を食べる

認知機能と食品摂取の多様性には関連性があると考えられています。60歳以上の人を対象に、3日間の食事内容を計量・記録し、認知機能との関連性を調べた国内の研究によれば、「食品摂取の多様性が最も低いグループは、最も高いグループと比べ、認知機能が44%低下しやすい」という結果が得られたそうです。

これは、色々な食品を食べている人はタンパク質や脂質、ビタミン類など必要な栄養素の摂取量が高かったため、脳の機能維持に良い作用をもたらしたのではと推測されています。

また、食事のためにいろいろな種類の食材を買ったり、献立を考えたり、食事を作ったりすることが脳や体の活動を活発にして、認知機能の維持を助けてくれた可能性もあるでしょう

青魚をよく食べる

サバやイワシ、サンマなどの青魚には、動脈硬化を抑制する作用を持つ「DHA」という必須脂肪酸が多く含まれています。DHAは私たち人間の脳内の細胞に多く含まれている構成成分で、記憶力や判断力の向上、認知症予防に効果が期待できると考えられています。

牛乳や乳製品を摂取する

牛乳や乳製品には、カルシウムやビタミンAなどのほか、良質なタンパク質と脂質が含まれており、優れた栄養価があります。
国内で60歳以上の女性を対象に実施された研究結果によれば、「牛乳や乳製品の摂取量が多いほど、認知機能の低下リスクが低い」という結果が得られたそうです。

緑黄色野菜、豆類、フルーツをよく食べる

ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜、納豆や枝豆などの豆類、いちごやオレンジなどのフルーツには「葉酸」が多く含まれています。

葉酸はビタミンB群の一種で、不足すると肝臓で作られた「ホモシステイン」という悪玉アミノ酸を増やす原因となります。ホモシステインは認知症の発症リスクを上げる動脈硬化を進行させるほか、アルツハイマー型認知症の原因となる「アミロイドβ」の作用を強める物質とされています。

葉酸を摂取することで、あらゆる認知症のリスクとなるホモシステインを減らしましょう。

カロリーや塩分・糖分に注意する

下記のように生活習慣病を予防することは、認知症予防には欠かせない重要なことです。

・摂取カロリーに気をつけて肥満を予防する
・塩分を控えめにして高血圧を予防する
・糖分の多いお菓子を控えめにして高血糖や糖尿病を予防する

おわりに:認知症予防のためには、様々な栄養素をバランスよく取り入れ、塩分・カロリーを控えめに

認知症を予防するには、生活習慣病予防の延長線上で、日々の食生活を見直して改善することが欠かせません。青魚を取り入れつつ、様々な食材から栄養素をバランスよく摂取する食習慣にシフトしていきましょう。
また、塩分やカロリーの摂りすぎは生活習慣病のリスクを高めます。塩分控えめで節度ある食生活を心がけてください。


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