グルタミン酸の作用と不足した際の影響

グルタミン酸の作用と不足した際の影響

旨味成分のひとつグルタミン酸は、調味料として使われるだけでなく、体内でも重要な役割を担っています。この記事では、グルタミン酸の作用と不足した際の影響について解説します。

グルタミン酸の作用

グルタミン酸は、たんぱく質を構成するアミノ酸のひとつであり、体内で合成できる非必須アミノ酸です。なお、非必須アミノ酸にグルタミンがありますが、グルタミンとグルタミン酸は別の種類になります。グルタミン酸は旨味成分として多くの調味料・食品(味噌・しょう油・昆布・きのこ・野菜・チーズ・納豆等)に含まれ、体内では以下の作用が期待できます。

●アンモニアの無毒化
アンモニアには、エネルギー産生を低下させる・脳機能を妨げる等の作用があります。グルタミン酸は体内のアンモニアを取り込みグルタミンに変化しますが、その際にアンモニアが無毒化されます。なお、無毒化されたアンモニアは尿として排出されるため、排尿を促す作用も期待できます。

●脳の働きを助ける
グルタミン酸は脳を活性化させる神経伝達物質であり、集中力・記憶力・学習能力に関係し、認知機能の低下を防ぐ作用が期待されています。また、グルタミン酸が材料になるGABAには、リラックス・ストレス緩和・睡眠の質の向上等を促す作用があると言われています。

●皮膚の保湿を促す
まだ明らかになっていない部分もありますが、グルタミン酸は角質層の保湿成分として作用する可能性があり、研究が進められています。

グルタミン酸が不足した際の影響

グルタミン酸が不足すると、以下の変化が起こる可能性があります。

・疲労・免疫低下:体内のアンモニアが増加し、疲労が溜まりやすくなる・免疫機能が低下しやすくなる等の変化が起こる可能性がある
・集中力・記憶力の低下:脳が働きにくくなり、集中力や記憶力が低下する可能性がある
・肌トラブル:体内のアンモニアが増加することで細胞が老化しやすくなり、角質層の保湿成分に影響する可能性がある。肌荒れ・しみ等の肌トラブルにつながる可能性がある

なお、グルタミン酸が脳内で過剰に増えるとリラックスしにくくなり、睡眠等に影響が出る可能性があるため、過剰摂取には注意が必要です。また、リラックスを促し睡眠の質を高める作用があると言われているGABAの生成にはビタミンB6が必要になるため、一緒に摂ることをおすすめしします。


グルタミン酸等の旨味成分を含む食材には、ビタミン類・食物繊維等の不足しやすい栄養を含む食材が多いです。塩分量・カロリー量に気をつける必要はありますが、ぜひ食事に取り入れてみてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生23-5079,商品開発G

関連記事

  • 認知症予防につながる娯楽と食生活

    認知症予防につながる娯楽と食生活

    脳機能を刺激して活性化を促し、健康的な生活を過ごすことは、認知症の予防につながると考えられています。この記事では、認知症予防につながる娯楽と食生活ついて解説します。

  • 糖尿病性神経障がいについて

    糖尿病性神経障がいについて

    糖尿病には、糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性神経障がい等の合併症があります。この記事では、糖尿病性神経障がいについて解説します。

  • 大動脈解離の手術後について

    大動脈解離の手術後について

    大動脈の血管壁は、内膜・中膜・外膜で構成されています。大動脈解離とは、何らかの原因で内膜が裂け、大動脈の血管壁に血液が流れ込む疾患です。大動脈解離は命に危険が及ぶ可能性がある疾患であり、緊急手術が必要になる場合があります。この記事では、大動脈解離の手術後について解説します。