高齢者におすすめのストレッチは?

高齢者におすすめのストレッチは?

ストレッチは、高齢者でも手軽にできる運動です。この記事では、高齢者がストレッチをすることで得られるメリットと、高齢者におすすめの「膝まわりと股関節まわりのストレッチ」をご紹介します。

高齢者がストレッチをするメリット

高齢者にとって、ストレッチには以下のメリットがあります。

・体力や筋力が低下した高齢者でも、無理なく筋肉の柔軟性と機能性を高められる
・筋肉を動かすことで脳が刺激され、認知機能の向上に役立つ
・転倒やケガの防止に役立つ

高齢者が転倒すると、手足の骨折や腰椎の圧迫骨折を引き起こし、寝たきりの原因になる場合があります。安定した歩行をするためには、膝まわりや股関節まわりのストレッチがおすすめです。

膝まわりのストレッチ

膝まわりの筋力と柔軟性を高めると、下半身を柔らかく使えるようになるので、歩行時にバランスを取りやすくなります。

●イスを使った膝まわりのストレッチ
1.姿勢を正し、イスに浅く腰掛ける
2.かかとを床につけた状態で、片側の足を前方にスライドさせ膝を伸ばす
3.膝を伸ばしている側のつま先を天井に向ける
4.太ももに軽く手を置き、背筋を伸ばしたまま上半身を前傾する
5.ふくらはぎ、膝裏、太もも全体をストレッチする
6.心地よいポジションで10秒キープ
7.3〜5回程行ったら、反対側も行う

上半身は、へそ下から前傾させることを意識しましょう。膝をしっかり伸ばした方が強度は高まりますが、無理して伸ばす必要はありません。急にストレッチするとケガをしやすいので、深呼吸をしながら、無理なくじっくりストレッチしましょう。

太ももの内側と股関節まわりのストレッチ

太ももの内側と股関節まわりのストレッチは、柔軟性を高めるだけでなく、血流を高めることにも役立ちます。

●イスを使った股関節まわりのストレッチ
1.姿勢を正し、イスに浅く腰掛ける
2.膝を曲げたまま両足を大きく開脚する
3.両手をそれぞれの膝の上に置き、背筋を伸ばしたまま上半身を前傾し、太ももの内側を軽くストレッチする
4.右手のひらで膝の内側を押し、上半身を左にねじり肩を入れる(右腕は伸ばした状態)
5.股関節、太ももの内側、背中〜肩甲骨が心地よく伸びていることを感じたら、深呼吸しながら10秒キープ
6.左側も同じように行い、それぞれ3回〜5回繰り返す

上半身の前傾とねじりを深くすることで、ストレッチの強度も高くなります。ただし、前傾やねじりを急に深めると転倒やケガの原因になるので、深呼吸をしながら、あわてずにゆっくりと深くするようにしてださい。

ストレッチは高齢者でも無理なくできる、健康に役立つ運動です。筋肉の柔軟性と機能性が高まることで歩行がしやすくなり、転倒防止にも役立ちます。一人ですることが怖い場合は、周囲の方に協力してもらってもかまいません。無理がない範囲で毎日の生活に取り入れてみてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生21-4466,商品開発G

関連記事

  • 微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症とは、心臓弁膜症等の疾患が認められず、直径100μm(マイクロメートル)以下の微小な冠動脈(かんどうみゃく)が充分に拡張しなかったり、著しく収縮したりすることで起こる狭心症です。この記事では、微小血管狭心症の特徴と治療について解説します。

  • 糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病の方は皮膚トラブルが起こりやすく、皮膚トラブルが悪化すると壊疽(えそ:皮膚・皮下組織等が壊死し、黒く変色した状態)等に進行し、日常生活に支障を来す可能性があります。この記事では、糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて解説します。

  • 直腸がんの症状と予防対策

    直腸がんの症状と予防対策

    直腸は大腸の一部であり、15cmから20cm程度の長さがあります。上部から直腸S状部・上部直腸・下部直腸に分けられ、上部でS状結腸からつながり下部で肛門へとつながります。この記事では、直腸がんの症状と予防対策について解説します。