認知症の検査を受ける意義と検査内容

認知症の検査を受ける意義と検査内容

認知症を早期発見することは適切な診断・治療に役立ち、治療方針・介護方針を決めることにも役立ちます。この記事では、認知症の検査を受ける意義と検査内容について解説します。

認知症の検査を受ける意義

認知症を早期に発見することは、例えば、脳腫瘍・慢性硬膜下血腫等による認知症であれば脳外科的治療を、甲状腺ホルモン異常による認知症であれば内科的治療をというように、適切な治療を早期に開始できるきっかけになります。また、アルツハイマー型認知症等のように薬で進行を抑えられる認知症では、日常生活で起こりやすいトラブルの対策をしやすくなります。なお、認知症を発症すると以下の変化・症状が現れる可能性があります。

・最近の出来事を思い出せなくなる回数が増えた
・言葉が出にくくなり、すらすらと話せなくなった
・イライラすることが増え、ご家族・周囲の方に当たる機会が増えた
・やる気が起きない・憂うつになることが増えた
・夜間眠れず、睡眠不足の状態が続いている

上記の変化・症状に気づいた際は、認知症専門外来【物忘れ外来等】のある医療機関を受診することをおすすめします。認知症専門外来への受診に抵抗がある場合はかかりつけ医に相談し、かかりつけ医がいらっしゃらない場合は脳外科・精神科・心療内科・神経外科等を受診するようにしてください。

認知症の検査内容

認知症の検査では、アメリカ精神医学界が提唱するDSM-5が基準とされる場合があります。DSM-5の概要は以下とおりです。

1.学習、及び、記憶・言語等、ひとつ以上の認知領域において認知低下があるという証拠がある
2.記憶障がい・失語等の認知欠損が日常生活での自立を妨げている
3.認知欠損がせん妄【何らかの原因で脳機能に異常が生じ、幻覚・認知機能低下等の症状が現れる状態】のみで起こるものではない
4.うつ病・統合失調症等の精神疾患が原因で認知欠損が起こっていると言えない

また、認知症の検査として、以下の検査が行われる可能性があります。

・一般的身体検査:認知症の原因となる疾患の有無を調べるため、尿検査・血液検査・内分泌検査・血清梅毒反応・胸部X線検査・心電図検査等を行う
・認知機能検査:改定長谷川式簡易知能評価スケール【全9問で満点が30点のテストを行い、20点以下の場合は認知症の疑いがあると判断される可能性がある】・MMSE【11項目の質問で30点満点のテストを行い、22点から26点の場合は軽度の認知症、21点以下の場合は認知症が強く疑われると判断される可能性がある】等の認知機能検査を行う
・画像診断検査:頭部CT検査・頭部MRI検査・脳血流SPECT検査【脳の血流状態を調べる検査】等を行い、認知症の種類・進行度等を確認する


ご家族に疑わしい症状・変化が現れている場合は、ノート等に普段の様子をメモしておくことをおすすめします。また、ご本人が受診を嫌がる際は、地域包括支援センター等に相談することが役立つ可能性があります。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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