【長生き応援シリーズ】高齢者施設の入居に必要な身元保証人とは?③~身元保証人と成年後見人の違いとは?~

【長生き応援シリーズ】高齢者施設の入居に必要な身元保証人とは?③~身元保証人と成年後見人の違いとは?~

シリーズ「高齢者施設の入居に必要な身元保証人とは?②~連帯保証人や身元引受人になるための条件~」では、多くの役割を担う身元保証人になるために必要な条件や施設ごとによくある条件をお伝えしました。

今回は、身元保証人と成年後見人の違いについてお伝えします。

身元保証人と成年後見人の違いとは?

成年後見人とは、認知症などで判断能力が低下した方(成年被後見人)の財産管理や、生活環境の調整・手続きなどの身上監護を行う法定代理人のことで、民法で定められています。
成年後見制度には、民法に基づく「法定後見」と任意後見契約に関する法律に基づく「任意後見」の2種類があります。「法定後見」は、ご本人の判断能力が低下した後に、ご家族等が家庭裁判所に申し立てを行い、家庭裁判所が成年後見人を選任します。
一方、「任意後見」は、ご本人の判断能力が低下する前に、あらかじめ任意後見人になる方を決めておき、判断能力が不十分になった時点で、後見活動を開始します。いずれを利用する場合でも後見人は、財産管理と身上監護を行うことは共通しています。

身元保証人と成年後見人の役割の違いについて以下で比較してみます。
身元保証人の役割は、主に、入居者についての債務の保証、退去・死亡時の身柄の引き取り、非常時・緊急時の各種対応です。他方で、成年後見人の役割は、財産管理と身上監護(生活環境の調整・手続きなど)です。もう少し細かく内容を見てみると、ご本人が高齢者施設を退去するときの調整・手続きを行うことや、施設から病院へ搬送され入院した際の手続きを行うことなど、一部役割が重複している部分もあります。
しかしながら、成年後見人は、通常、債務の保証までは行いませんし(家族が成年後見人となっている場合は除く)、本人に代わって法律行為(契約・手続き)を行うのが本来の職務ですので、救急搬送時に病院に駆けつけたり、退院時に付き添ったりすることもしません。これらは一般的に家族=身元保証人が行うことと想定されているからです。よって、成年後見人がいても、身元保証人の役割をすべて果たせるわけではないため、別に身元保証人を立てることを求める高齢者施設は少なくないというのが実情です。
とはいえ、成年後見人は、ご本人の財産を管理しているため、ご本人に代わって入居費用などの支払いをすることはできます。そのため、成年後見人が選任されている場合、費用の支払いは問題なく行ってくれるだろうとの信頼から、身元保証人がいなくとも(債務の保証がなくとも)入居を認める高齢者施設も存在します。この点は施設によって判断が異なるところですので、ご入居の際は直接確認してみてください。

現在は、少子高齢化、核家族化に加え、以前に比べて、ご家族やご親族との関係が希薄になっている傾向があり、身元保証人を「頼める人がいない」という方が増えています。では、このような場合はどうすればいいのでしょうか。
次回は、連帯保証人や身元引受人を頼める人がいない場合の対処法についてお伝えします。

日本生命では、身元保証人が見つからない方のために、ご家族やご親族に代わって、生前から死後までをサポートするご契約者向けサービス「GranAge Star(グランエイジ スター)」をご用意しております。
https://www.nissay.co.jp/kaisha/granage_pj/torikumi/granage_star/

※一部、「GranAge Star(グランエイジ スター)」のサービス提供法人である一般社団法人シニア総合サポートセンターに寄せられた声を元に構成しています。

生20-4232,商品開発G

関連記事

  • 微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症とは、心臓弁膜症等の疾患が認められず、直径100μm(マイクロメートル)以下の微小な冠動脈(かんどうみゃく)が充分に拡張しなかったり、著しく収縮したりすることで起こる狭心症です。この記事では、微小血管狭心症の特徴と治療について解説します。

  • 糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病の方は皮膚トラブルが起こりやすく、皮膚トラブルが悪化すると壊疽(えそ:皮膚・皮下組織等が壊死し、黒く変色した状態)等に進行し、日常生活に支障を来す可能性があります。この記事では、糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて解説します。

  • 直腸がんの症状と予防対策

    直腸がんの症状と予防対策

    直腸は大腸の一部であり、15cmから20cm程度の長さがあります。上部から直腸S状部・上部直腸・下部直腸に分けられ、上部でS状結腸からつながり下部で肛門へとつながります。この記事では、直腸がんの症状と予防対策について解説します。