食道がんの症状と予防対策

食道がんの症状と予防対策

食道は喉の奥から胃へとつながる管状の器官で、口から入った食べ物をぜん動運動によって胃に送り込む働きがあり、食道に発生するがんを食道がんと言います。この記事では、食道がんの症状と予防対策について解説します。

食道がんの症状

食道がんは自覚症状が現れにくいと言われていますが、食事の際に違和感が生じる・食べ物を飲み込む際につかえる感じがする・喉が痛む・胃腸に不調はないのに嘔吐する等の症状が現れる可能性があります。食道がんは比較的進行が速く、「検査でがんが発見された際には進行していた」という方もいらっしゃいます。

食道がんが進行すると、気管・気管支・大動脈・心臓等の食道周辺の器官にがんが広がっていきます。また、がんがリンパ管(リンパ液が流れる全身に分布する管)に入り込むと、リンパ液の流れに乗り全身の臓器に転移する恐れがあります。食道がんが他の臓器に影響を及ぼすまで進行すると、咳が出る・血の混じった痰が出る・声がかすれる・全身がだるくなる・体重が減少する等の症状を引き起こす場合があります。

食道がんの予防対策

以下の対策は、食道がんだけでなく、他のがんの予防にも役立つ可能性があります。

・禁煙する:喫煙者・受動喫煙者のどちらもリスクが高くなるため、タバコの煙自体を避ける
・禁酒・減酒する:お酒の弱い方の飲酒は、さらにリスクが高まると言われている。適切な飲酒量については医療機関に相談することをおすすめする
・食生活を見直す:減塩・野菜中心の食生活を心がける。熱すぎる飲み物・食べ物はリスクが高まる可能性があるため、少し冷ましてから食べるようにする
・適度な運動を習慣化する:ウォーキングであれば1日60分程度、汗をしっかりかく程度の運動であれば1週間60分程度が目安と言われている
・適正体型を守る:肥満・痩せ過ぎはがんのリスクを高めると言われている

なお、以下に当てはまる方は食道がんのリスクが高いとされているため、定期的な検査が特に推奨されます。

・60歳以上の男性
・喫煙習慣がある
・継続した飲酒習慣がある
・喉頭がん・咽頭がん等、喉周辺のがんを発症した経験がある
・食道がん・喉頭がん・咽頭がん等を発症した経験があるご家族がいる


食道がんの治療には、手術療法・放射線療法・抗がん剤を用いた化学療法等があります。以前に比べて予後は良くなったと言われていますが、食道がんの治療は早期発見が大切になってきます。食道がんが疑われる症状に気付いた際は早めに医療機関を受診し、健康診断・人間ドック等で健康状態を定期的に確認するようにしてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生24-1765,商品開発G

関連記事

  • 転移性肝がんについて

    転移性肝がんについて

    肝がん【肝臓に発生するがん】には、原発性肝がん【肝臓の細胞が悪性腫瘍(がん)化して生じるがん】と転移性肝がん【他部位・他臓器で発生したがん細胞が肝臓に転移し発生するがん】があり、転移性肝がんは原発性肝がんよりも発症数が多いと言われています。この記事では、転移性肝がんについて解説します。

  • 腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について

    腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について

    腎臓に発生する腫瘍が良性であることは少なく、ほとんどが悪性腫瘍(がん)であると言われています。腎臓に発生するがんは種類により症状が異なり、発生しても症状が現れない可能性があります。この記事では、腎臓に発生するがんの種類と血尿との関係について解説します。

  • 食道胃静脈瘤の原因と治療方法

    食道胃静脈瘤の原因と治療方法

    食道胃静脈瘤(しょくどういじょうみゃくりゅう)とは、食道や胃に存在する静脈が拡張し、瘤(こぶ)状にふくらむ疾患です。この記事では、食道胃静脈瘤の原因と治療方法について解説します。