認知症の服薬介助のポイントと注意点

認知症の服薬介助のポイントと注意点

認知症の介護では、服薬介助も大切になってきます。この記事では、認知症の方の服薬介助をする際のポイントと注意点について解説します。

服薬介助のポイント

服薬介助とは、服薬をサポートし、医師に指示されたとおりにきちんと薬を服用できているか確認することです。服薬介助をする際は、以下のポイントに注意しましょう。

●薬の飲み間違いを防ぐ
薬の種類ごとに服用時間や服用量が違うため、薬の種類が増えると「薬の飲み間違い」も増えやすくなります。飲み間違いを防ぐには、「お薬カレンダー」や「服薬ボックス」がおすすめです。お薬カレンダーや服薬ボックスを使うことで、ご本人の飲み間違いだけでなく、介助する側の間違いも防げます。

●薬を飲み込んだことの確認
高齢者は、薬をきちんと飲み込めない場合があります。麻痺のある方は薬が口の中に残りやすいため、特に注意が必要です。服薬介助をする際は、薬をきちんと飲み込んだことを必ず確認しましょう。

●薬を飲んだ後の変化の確認
今まで服用して問題がなかった薬でも、体調などの影響で副作用が出る可能性があります。服用後にいつもと違う様子がないか必ず確認しましょう。何かしらの変化が見られた場合は、早めに主治医に相談してください。

●薬を飲み込みやすくする工夫
薬を上手く飲み込めない場合は、服薬補助ゼリーやとろみ剤、オブラートなどを使うと飲み込みやすくなります。担当医に相談すると、飲み込みやすい薬(口腔内崩壊錠など)や貼付薬、座薬などに変更してもらえる場合があります。

●飲み物の管理
服用する際の飲み物は、基本的には水か白湯がおすすめです。薬によってはお茶でも問題ない場合もありますが、玉露のような濃いお茶は避けてください。
※副作用の懸念もあるので、必ず担当医に相談してください。

認知症の方の服薬介助の注意点

認知症の方の服薬介助では、以下の点にも注意しましょう。

●服薬の必要性を納得してもらう
薬を飲んでもらうためには、服薬の必要性をご本人に納得してもらうことが大切です。認知症の方は何度も忘れてしまう場合があるため、繰り返し説明してあげましょう。

●服薬のタイミングを合わせる
認知症の方は、薬の服用を拒否することがあります。無理やり飲ませると状況が悪化する可能性もあるので、服薬できそうなタイミングに合わせる方法もおすすめです。薬の時間をずらしても問題ないか、事前に担当医に確認しましょう。

●薬を食べ物に混ぜない
薬を食べ物に混ぜると味が悪くなり、「毒を混ぜられた」と被害妄想を抱く可能性があります。食事を食べなくなってしまうこともあるため注意が必要です。


認知症の方が薬を飲んでくれない場合は、介護サービスなどにお願いすることもおすすめです。介助する方の心身もケアしながら、認知症の方が適切に薬を飲めるようにサポートしていきましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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