蕎麦の栄養成分「ルチン」で血管若返り

蕎麦の栄養成分「ルチン」で血管若返り

蕎麦に含まれる栄養成分「ルチン」はポリフェノールの一種で抗酸化作用を持ち、かつてはビタミンPと呼ばれていました。赤ワインに含まれることで有名なポリフェノールは、植物の苦味や渋味、色素の成分となっている化合物の総称ですが、自然界には5,000種類以上存在していると言われる栄養素です。その中でもフラボノイド系に属する「ルチン」は、ビタミンCと一緒に働き、血管壁を強化するコラーゲンの生成を助けます。「ルチン」は主に毛細血管を強化するので、打ち身による内出血など出血が伴う疾患に有効と言われています。また、動脈硬化のように弾力がなくなり、破れやすくなった血管を修復して血液の流れをスムーズにする作用や、血圧降下作用などもあります。このためルチンには「脳卒中」「高血圧」「動脈硬化」など生活習慣病の予防に効果があり、更には、血行が良くなるので冷え性や肩こりにも効果があるといわれています。

「ルチン」を効果的にとる方法

「ルチン」がビタミンCの吸収を促進するため、蕎麦とビタミンCを多く含む食品を組み合わせることにより、蕎麦に含まれる「ルチン」がビタミンCの吸収を高めてくれます。大根おろしやキュウリ、ねぎにはビタミンCが多く含まれているので薬味として食べると効果的です。
以前は、「ルチン」は水溶性のため、蕎麦を茹でている間にゆで汁の中に溶け出てしまうので、蕎麦湯を飲んだほうがよいと言われていましたが、実際は数%程度しか流出しないということが分かったそうです。しかし、蕎麦には「ルチン」以外にもビタミンB1やビタミンB2などの水溶性ビタミンが含まれおり、これらもゆで汁に流出していると考えられます。ビタミンB1は疲労回復や神経系を正常に保つ効果、ビタミンB2は皮膚や爪、髪を健康に保つ効果などがあります。
もり蕎麦やざる蕎麦をつけたつゆに蕎麦湯をまぜて飲む、という方も多いのではないでしょうか。お店で蕎麦を頼むときには、蕎麦湯を頼むようにしましょう。また、自宅で蕎麦を茹でたときも、そのゆで汁である蕎麦湯を捨てずに飲むようにしましょう。ただし、蕎麦つゆには塩分が含まれるため、塩分の取り過ぎには注意しましょう。

蕎麦には7~8月に収穫する夏蕎麦と、9~10月に収穫する新蕎麦と言われる秋蕎麦があります。淡い香りと清涼感を感じる若い味わいが夏蕎麦の特徴で、香り高く濃厚な風味と深い味わいが秋蕎麦の特徴と言われています。健康を意識しながら、蕎麦のおいしさを堪能してみてはいかがでしょうか。
東京臨海病院管理栄養士 日本糖尿病療養指導士、NST専門療法士 青木淳子
提供元:和洋女子大学、株式会社ライフケアパートナーズ

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