腹部大動脈瘤(りゅう)のリスク要因と症状の特徴

腹部大動脈瘤(りゅう)のリスク要因と症状の特徴

大動脈は体内で最も太い血管であり、横隔膜を境に胸部大動脈と腹部大動脈に分かれます。腹部大動脈瘤(りゅう)とは、腹部大動脈が何らかの原因で部分的に大きく膨らむ疾患です。この記事では、腹部大動脈瘤のリスク要因と症状の特徴について解説します。

腹部大動脈瘤のリスク要因

腹部大動脈は大動脈瘤の中で最も発症頻度が高く、大動脈内壁のもろくなっている部位が血圧の変化等により圧迫され、負担がかかり膨らむことで発症します。大動脈の直径は正常時で20mm程度と言われていますが、腹部大動脈瘤を発症すると30mm以上に膨らみます。

腹部大動脈の主なリスク要因は以下であり、中でも動脈硬化・加齢・高血圧は関係が深く、動脈硬化による発症率は特に高いと言われています。なお、腹部大動脈瘤の発症率は、加齢に伴い高くなるとされていますが、これは加齢に伴い動脈硬化の発症率が高くなること・血管がもろくなることが関係していると考えられています。

・動脈硬化
・加齢
・高血圧
・喫煙
・脂質異常症
・糖尿病
・感染症:梅毒・サルモネラ菌 等
・外傷
・血管の疾患:ベーチェット病(口腔粘膜の潰瘍・外陰部の潰瘍・皮膚症状・眼症状が主症状の全身性炎症疾患)・高安動脈炎(たかやすどうみゃくえん:大動脈や大動脈から分岐した大きな血管に炎症が生じ、血管に狭窄・閉塞・拡張が起こる疾患) 等
・先天性疾患:マルファン症候群(細胞と細胞をつなぐ組織が生まれつき弱く、骨格・眼・心臓の血管等に症状が現れる疾患)・エーラス-ダンロス症候群(細胞と細胞をつなぐ組織のもろさから様々な症状が現れる疾患) 等

症状の特徴

腹部大動脈瘤は自覚症状がほとんど現れず、健康診断・他の疾患の検査等で偶然発見される場合があります。ただし、腹部大動脈瘤が周囲の臓器を圧迫するまで大きくなると以下の症状が現れる可能性があり、腹部大動脈瘤が破裂すると痛み・急激な血圧の低下・ショック状態・吐血・血便等の症状が現れ、命に危険が及ぶ恐れがあります。

・腹部・背中の圧迫感
・腹部に触れた際に脈動を感じる
・腹痛
・腰痛


動脈硬化予防・高血圧予防のため生活習慣を見直すことは、腹部大動脈瘤破裂の予防にもつながります。既に動脈硬化・高血圧の治療を受けている方は、医療機関の指示に従い治療を続けるようにしてください。また、大動脈瘤は破裂する前に適切な治療を開始することが大切であると考えられています。X線検査・腹部超音波検査等が発見につながる可能性があるため、定期的に健康診断・人間ドック等を受けることをおすすめします。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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