【健康コラム】上皮内新生物は「がん」とは違うの?

【健康コラム】上皮内新生物は「がん」とは違うの?

"人生100年時代"と言われている現代、いつまでも元気にいきいきと過ごしたいと誰もが願うことでしょう。心身ともに健康で過ごすために、日々の生活におけるヒントを見つけて実践してみましょう。

がんは専門的に「悪性腫瘍」と呼ばれますが、「上皮内新生物」とどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、上皮内新生物がどのような腫瘍のことか、悪性腫瘍(悪性新生物)との違いを交えて解説していきます。

上皮内新生物とがんの種類について

がんは、大きく以下の3つに分類されます。

■造血器から発生するがん:血液をつくる臓器である骨髄やリンパ節(造血器)から発生するがん。(白血病・悪性リンパ腫・骨髄腫など)

■上皮細胞から発生するがん:上皮(臓器を覆う粘膜部分)を構成する細胞から発生するがん。(肺がん・乳がん・胃がん・大腸がん・子宮がん・卵巣がん・咽頭がんなど)

■非上皮性細胞から発生する肉腫:骨や筋肉など、非上皮性細胞から発生するがん。(骨肉腫・横紋筋肉腫・線維肉腫・脂肪肉腫・血管肉腫など)

人間の組織はいくつかの層からなっていますが、大きく分類すると「上皮細胞」と「それよりも深部の細胞」に分けられます。上皮細胞とそれ以外を分ける境界にある薄い膜を「基底膜」と言いますが、この「基底膜」を超えて浸潤していくものを「悪性腫瘍(悪性新生物)」、基底膜を超えずに上皮細胞でとどまっているものを「上皮内新生物」と呼んでいます。

悪性新生物は細胞や粘膜の奥深くまで広がっていくので、血液やリンパ液によって運ばれ、他の臓器に転移していくリスクがあります。一方、上皮内新生物は上皮に血管やリンパ管が通っていないことから、上皮内新生物であるうちは、転移のリスクはほとんどないと考えられています。
ただ、上皮内新生物から悪性新生物に進行する可能性はあるので、転移の可能性がないわけではありません。

上皮内新生物と診断されたら

手術で完全に取り除ければ完治も見込めますし、再発リスクも低いと考えられています。治療が必要ではありますが、過度に不安に思うことはないでしょう。がんと診断されたとしても、悪性新生物か上皮内新生物かによってリスクも治療法も違ってきます。どの部位にどのような腫瘍ができているのか、ご自身がきちんと理解できるまで医師に説明を受け、納得のいく治療方法を選びましょう。

おわりに:上皮内新生物のうちは転移のリスクも低く、生命に危険がおよぶことはほとんどない

上皮内新生物は上皮内がんとも言われる「がんの一種」ではありますが早期発見・早期治療ができれば高い確率で完治が目指せます。上皮内新生物という診断をもらったらショックを受けるかもしれませんが、診断を受けたあとは、納得のいく治療ができるように医師と相談してください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生20-5174,商品開発G

関連記事

  • 微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症とは、心臓弁膜症等の疾患が認められず、直径100μm(マイクロメートル)以下の微小な冠動脈(かんどうみゃく)が充分に拡張しなかったり、著しく収縮したりすることで起こる狭心症です。この記事では、微小血管狭心症の特徴と治療について解説します。

  • 糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病の方は皮膚トラブルが起こりやすく、皮膚トラブルが悪化すると壊疽(えそ:皮膚・皮下組織等が壊死し、黒く変色した状態)等に進行し、日常生活に支障を来す可能性があります。この記事では、糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて解説します。

  • 直腸がんの症状と予防対策

    直腸がんの症状と予防対策

    直腸は大腸の一部であり、15cmから20cm程度の長さがあります。上部から直腸S状部・上部直腸・下部直腸に分けられ、上部でS状結腸からつながり下部で肛門へとつながります。この記事では、直腸がんの症状と予防対策について解説します。