【仕事と介護の両立支援】 自分にできる範囲を見定めて!

【仕事と介護の両立支援】 自分にできる範囲を見定めて!

親の介護をするに当たり、自分にできることは何かと考える視点はとても大切です。この記事では、自分の人生設計も大切にする割り切り方について解説します。

自分にできる範囲を見定めて!

仕事を続けて親の介護をしていると、「親御さんのことに、専念したら?」などと言う人に出会うことがあるかもしれません。聞き流そうと思っても、頭の隅に残り、親の世話を怠っているような罪悪感を抱くことがあります。
Mさん(59歳)は母親から「1人じゃ心細い。戻ってきてほしい」と言われました。母親は1年半ほど前に脳梗塞で倒れ、リハビリ病院を経て、現在は介護保険のサービスを使いながら自宅で独り暮らしています。月に1回、Mさんは週末を利用して様子を確認するために帰省。「戻ってきてほしいと言われても、わたしにはわたしの人生設計があります。60歳で定年となりますが、65歳まで働くつもりです」とMさん。
Mさんは母親に対し、定年後の再雇用について説明しました。
親と子の人生は別物です。この先、子は親よりも長く生きなければなりません。Mさんが100歳まで生きるとすれば残り41年。その年月を生き抜くためには、経済的にも、精神的にも仕事は大切だと言えるでしょう。
 「母の願いをかなえて実家に戻ると、きっと後悔します。母のことを恨んでしまうかもしれない」とMさんは言います。
親の介護をするに当たり、自分にできることは何かと考える視点はとても大切です。冷たいようですが割り切り、できないことには手を出さずサービスで補う方向で。勤務先にも両立を支援する制度があります。補いきれなくなったら、施設介護を検討しましょう。
自分の人生を真摯に生き、更に親にも目配り、心配りし、ケアマネジャーら専門家と相談しながらより良い環境を整える。罪悪感を抱く必要はありません。むしろ自分自身を褒め称えても良いくらいではないでしょうか。
◆仕事と介護の両立のための6つのポイント◆

 1.職場に「家族等の介護を行っている」ことを伝え、必要に応じて勤務先の「仕事と介護の両立支援制度」を利用する
 2.介護保険サービスを利用し、自分で「介護をしすぎない」
 3.介護保険の申請は早目に行い、要介護認定前から調整を開始する
 4.ケアマネジャーを信頼し、「何でも相談する」
 5.日ごろから「家族や要介護者宅の近所の方々等と良好な関係」を築く
 6.介護を深刻に捉えすぎずに、「自分の時間を確保」する
  
【出典】平成29年度版「仕事と介護 両立のポイント あなたが介護離職しないために」厚生労働省
提供元:介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子

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