レビー小体認知症の検査・治療について

レビー小体認知症の検査・治療について

レビー小体型認知症は、レビー小体という特殊なたんぱく質により脳の神経細胞が破壊されることで発症すると言われています。この記事では、レビー小体型認知症の検査・治療について解説します。

レビー小体型認知症の検査

レビー小体認知症の検査では、特徴的な症状(幻覚・妄想・錯視・パーキンソン症状(手足の震え・筋肉の硬さ・運動性の鈍さ・歩行障がい等)・レム睡眠行動障がい等)が現れているかを確認し、以下の検査が行われる可能性があります。

・神経心理検査:認知機能の状態を確認する
・錯綜図(さくそうず:複数の物体の線画が重ねて描かれている絵)問題・トレイルメイキングテスト(TMT:神経認知機能を測定する検査):構成障がい(二次元・三次元で構成される要素を空間配置できなくなることで模写・積木・パズル等ができなくなる)・視覚認知障がい・注意障がい・遂行機能障がい等の状態を確認する
・パレイドリアテスト(風景画像の中に、本来ないはずの顔・動物等が錯視として見えるか確認する検査):幻覚・錯視を確認する
・脳MRI検査:大脳の萎縮状態を確認する
・MIBG心筋シンチグラフィー(123I-MIBGという薬剤が心臓に集まる程度を確認する検査):レビー小体型認知症による交感神経障がいの有無を確認する
・脳血流シンチグラフィー(123I-IMPという薬剤を注射し、脳の血流を確認する検査):脳機能に異常が起こっている部位を確認する
・ダットスキャン検査(ダットスキャンという薬剤を注射し、脳内の線条体という部位に集まる程度を確認する検査):レビー小体型認知症・パーキンソン病(パーキンソン症候群)では薬剤が集まりにくくなる可能性がある
・脳波検査:レビー小体型認知症特有の脳波が現れないか確認する
・血液検査:認知症を引き起こす原因疾患の有無を確認する

レビー小体認知症の治療

レビー小体型認知症では、進行を遅らせることを目的に以下の対症療法が行われる可能性があります。

・認知機能障がい・幻覚・妄想:ドネベジル・リバスチグミン・クエチアピン・オランザピン等の薬物療法
・パーキンソン症状:レボドパ(パーキンソン病治療薬)による薬物療法・理学療法を用いたリハビリテーション 等
・レム睡眠行動障がい:クロナゼパム(抗てんかん薬)による薬物療法 等
・便秘:モサプリド(消化管運動機能改善薬)・ドンペリドン(消化管運動機能改善薬)等による薬物療法・食事療法の指導(食物繊維を含む食品を摂る) 等
・起立性低血圧:弾性ストッキング着用の指導・失神予防の指導・昇圧薬(血圧を上げる薬)による薬物療法 等


レビー小体型認知症では、特徴的な症状として「薬剤への過敏性」が現れる可能性があります。服薬後・薬剤の量を変更した後に体調の変化が現れた際は、医療機関に報告し、その後の対応について相談するようにしてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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