肺機能低下による症状と機能回復に役立つ対策

肺機能低下による症状と機能回復に役立つ対策

肺は体内の酸素供給に関わる重要な器官です。この記事では、肺機能低下による症状と機能回復に役立つ対策について解説します。

肺機能低下による症状

気管支は左右の肺に入る細かく枝分かれした器官であり、気管支の先には肺胞という毛細血管に囲まれた小さな袋が存在します。鼻・口から吸い込んだ空気は喉を通過して気管支に入り、肺へ届けられ、最終的に肺胞に到達します。肺胞では、血管壁を介し酸素と二酸化炭素の交換が行われ、血液中に入った酸素は体内に供給され、肺胞内に入った二酸化炭素は体外へと吐き出されます。

肺機能が低下すると正常な酸素供給が行われなくなり、酸素不足の状態を解消するため心拍数が上がり、心臓への負担が増加します。このような心臓への負担の増加は、心不全等のリスクを高める可能性があります。また、肺機能が低下すると以下の症状を引き起こす可能性があり、さらに悪化すると動悸・むくみ等の症状が現れ、歩行等の日常的な動作が困難になる可能性があります。

・咳
・痰
・息苦しさ
・息切れ
・胸の痛み 等

肺機能回復に役立つ対策

呼吸は横隔膜等の呼吸筋により行われ、これらの筋力は加齢と共に低下します。そのため、肺機能の低下は、加齢が原因で起こる可能性があります。呼吸筋トレーニング【深呼吸に合わせ腕・肩・胸・背中を動かす体操】を行ったり、深呼吸をしながら胸部・肩等をストレッチしたりすることで、呼吸筋の機能低下を予防できる可能性があります。また、動脈硬化は肺機能低下につながる可能性があるため、食生活を見直す【野菜を積極的に摂る・脂質を摂り過ぎない等】ようにしてください。なお、ウイルス・細菌等による感染症も肺機能に影響する場合があるため、風邪の流行シーズンには感染症対策【マスクを着用する等】に取り組むことをおすすめします。

また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)も、肺機能を低下させる原因になります。COPDとは、慢性気管支炎・肺気腫等の肺疾患の総称であり、タバコの煙・粉塵・大気汚染・感染症等が原因で発症します。特にタバコの煙は大きく影響すると考えられているため、喫煙習慣のある方は禁煙に取り組むことをおすすめします。


COPDを発症すると、発症前の健康な状態に回復することは難しいと言われています。治療では、肺機能の悪化を防ぐことを目的に禁煙指導・薬物療法・酸素療法等が行われます。早期発見が重要になるため、息切れ・息苦しさ・喘鳴(ぜいめい)【ヒューヒュー・ゼーゼー等の呼吸音がする状態】等に気づいた際は早めに医療機関を受診し、健康診断・人間ドック等を定期的に受け、肺の健康状態を確認するようにしましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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