脳梗塞が疑われる際の検査内容について

脳梗塞が疑われる際の検査内容について

脳梗塞は、血栓等により脳の血管が詰まり、血液が脳に届かなくなることで発症する疾患です。この記事では、脳梗塞が疑われる際の検査内容について解説します。

脳梗塞が疑われる際の検査内容

脳梗塞が疑われる際は、一般的に以下の問診・検査が行われます。

1.ご本人、またはご家族への症状・病歴・生活習慣に関する問診
2.内科的診察・神経学的診察
3.血液検査・動脈血ガス検査・心電図・胸部X線等の一般臨床検査
4.MRI・CT等を使用した画像検査

上記の検査で「脳梗塞である」と診断された場合、より詳細な判別のため、以下の検査を行う可能性があります。

・脳血管系の検査:超音波(エコー)・MRアンギオグラフィー(MRA:磁気を利用し血管の状態を調べる検査)・CTアンギオグラフィー(CTA:造影剤を使用し、CTで血管を撮影する検査) 等
・脳の局所血液量の検査:脳SPECT(微量の放射線を出す検査薬を投与し、脳各部の血流状態等を調べる検査)・MRIやCTにおける灌流画像(かんりゅうがぞう:毛細血管レベルにおける血流動態を画像化する検査) 等
・心臓の検査:心エコー・心電図モニター・12誘導心電図・ホルター心電図 等
・血液の検査:血小板第4因子・β-トロンボグロブリン・TAT・D-dimer・抗リン脂質抗体・アンチトロンビン 等の計測

脳梗塞でMRI・CT等の画像検査をするメリット

脳梗塞が疑われる際にMRI・CT等を使用した画像検査をすることには、「他の脳疾患との判別がつけやすくなる」「脳梗塞の程度・回復の可能性について推測しやすくなる」「具体的、かつ、有効的とされる治療を早期に始めやすくなる」「より早期に診断・治療を開始できる」「脳細胞のダメージを小さくできる可能性が高くなる」等のメリットがあります。なお、MRI・CTを使用する脳梗塞の画像診断には、それぞれ以下のメリットとデメリットが考えられます。

●MRIのメリット
・X線検査では確認が難しい部位の撮影が可能
・古い脳出血と脳梗塞等を画像上で判別できるほど鮮明な撮影が可能

●MRIのデメリット
・磁力を発するため、金属・ペースメーカー等を体内に埋め込んでいる方は使用できない可能性がある
・起動に時間がかかり専門のスタッフ以外では扱いが難しいため、検査が受けられる日程が限定される場合がある

●CTのメリット
・金属・ペースメーカー等を体内に埋め込んでいても検査が可能
・MRIと比較すると、扱いやすいと言われている

●CTのデメリット
・頭蓋骨の厚みのある部位等、詳細な検査が難しい場合がある
・MRIと比較すると画像の鮮明さに欠ける場合があり、判別がつけにくくなる可能性がある


発症から治療開始までの時間が、脳梗塞のその後の回復や後遺症に大きく影響します。そのため、様々な検査を迅速に行い、可能な限り正確に、かつ、素早く診断・治療することが大切になってきます。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生23-1903,商品開発G

関連記事

  • 微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症とは、心臓弁膜症等の疾患が認められず、直径100μm(マイクロメートル)以下の微小な冠動脈(かんどうみゃく)が充分に拡張しなかったり、著しく収縮したりすることで起こる狭心症です。この記事では、微小血管狭心症の特徴と治療について解説します。

  • 糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病の方は皮膚トラブルが起こりやすく、皮膚トラブルが悪化すると壊疽(えそ:皮膚・皮下組織等が壊死し、黒く変色した状態)等に進行し、日常生活に支障を来す可能性があります。この記事では、糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて解説します。

  • 直腸がんの症状と予防対策

    直腸がんの症状と予防対策

    直腸は大腸の一部であり、15cmから20cm程度の長さがあります。上部から直腸S状部・上部直腸・下部直腸に分けられ、上部でS状結腸からつながり下部で肛門へとつながります。この記事では、直腸がんの症状と予防対策について解説します。