変形性膝関節症と認知症の関係性について

変形性膝関節症と認知症の関係性について

変形性膝関節症は高齢者に起こりやすい整形外科疾患であり、認知症のリスクにも関係していると言われています。この記事では、変形性膝関節症と認知症の関係性について解説します。

変形性膝関節症とは

高齢になるにつれ膝の痛みが起こりやすくなるのは、膝への負担により関節軟骨が擦り減ることが主な原因と言われています。このような関節軟骨の擦り減りは、骨同士が直接擦れることで発生し、長期間続くと骨が変形します。骨の変形により膝の痛み等が起こる疾患を、変形性膝関節症と言います。なお、老化によるコラーゲンの減少や骨折・靭帯損傷・半月板損傷等の外傷が、変形性膝関節症の原因になる可能性もあります。

変形性膝関節症の痛みは、立ち上がる・落とした物をしゃがんで取ろうとする等の際に起こりやすく、痛みで正座できなくなる・階段の昇り降りができなくなる・痛みをかばうことで歩き方や姿勢が悪くなる等の状態に陥る可能性があります。また、変形性膝関節症の方は膝に水が溜まりやすいという特徴がありますが、これは膝関節内に炎症が起こり、関節液が過剰に分泌されることが原因と言われています。

認知症との関係性

変形性膝関節症が重症化すると、日常生活を今までどおり送ることが困難になり、車椅子生活・寝たきり生活になる可能性があります。変形性膝関節症の影響で外出の機会が減ったり、車椅子生活や寝たきり生活になったりすると、脳への刺激が少なくなる・運動量が減ることで脳への血流量が不足する等が起こります。この状態は認知症リスクを高める原因になり、歩行困難になるまで変形性膝関節症が進行すると、認知症リスクが高まる可能性があると言われています。

膝関節の変形を根本から治すには手術が必要であり、手術を受けることで症状・QOL(Quality of life:生活の質)が大きく改善する可能性があります。一般的には、症状が軽い状態であれば鎮痛薬・ヒアルロン酸の注射等を使う保存療法を中心に治療が進められ、保存療法で痛みが抑えられなくなる・痛みで日常生活に支障が出るようになると手術が検討されます。なお、糖尿病・心臓疾患等をお持ちの方・特定の薬を服用している方は、手術が受けられない可能性があります。


変形性膝関節症は高齢者の膝痛の主な原因であり、年齢を重ねればどのような方にも起こる可能性があります。適切なタイミングで適切な治療を始めることは、寝たきりや認知症を予防するためにも大切になってきます。初期の変形性膝関節症は痛みが軽く、少し休憩すれば治まることもあるため、重症化するまで放置してしまう方もいらっしゃいます。放置している期間も軟骨は擦り減り続け、擦り減った軟骨が増えることはありません。膝の痛み・違和感・動かしにくさ等、気になる症状がある際は、早めに医療機関を受診しましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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