移乗介助(いじょうかいじょ)の手順について

移乗介助(いじょうかいじょ)の手順について

ベッドから車椅子・車椅子からベッドへの移動の際に行う介助のことを移乗介助(いじょうかいじょ)と言います。この記事では、移乗介助の手順と必要な準備について解説します。
※以降、介助を受ける方=要介助者・介助する方=介助者と表記

ベッドから車椅子への移乗介助の手順

まずは「これから移乗介助をする」ということを、明確に伝えることが大切です。移乗介助には複数の方法があり、状況等により適した方法は変わってきますが、一例として以下の手順が挙げられます。

1.車椅子とベッドの角度が約30度なるよう車椅子を寄せ、車椅子より少し高くなるようにベッドの高さを調節する(寄せる前にアームサポートを上げフットサポートを外し、寄せた後はブレーキを掛ける)
2.起き上がりを介助し、要介助者がベッドから足を出して座った状態になるよう介助する
3.要介助者が浅座り【浅く腰掛けた状態】になるよう介助し、足がしっかり床についた状態にする
4.介助者は足を開いて腰を落とした状態で立ち、要介助者の体を支えながら車椅子の角度を変えずに車椅子を引き寄せる
5.介助者は、要介助者の脇の下・肩甲骨付近に手を当て、要介助者が前傾姿勢になるよう介助する(要介助者の重心が足部に移動することで、お尻が前方に滑り出す)
6.要介助者のお尻が滑り出した段階で、介助者の膝で要介助者の膝を少し押しながら、スライドさせるようにして車椅子への移乗を介助する
7.車椅子へ移乗した後、車椅子のアームサポートを戻し、要介助者の背中と背もたれの隙間がなくなるように姿勢を整える(状態に応じクッション・タオル等を入れ安定させても構わない)。
8.フットサポートを装着し、フットサポートに要介助者の両足を乗せ、移乗終了

車椅子からベッドへの移乗を介助する際は、ベッドの高さが車椅子よりやや低めになるように調整し、上記と逆の手順で行いましょう。ベッドに寝かせる際にギャッジアップする【介護用ベッドの背もたれ・膝の角度を調整すること】場合は、背抜き【床ずれ・不快な圧迫感等の予防のため、要介助者の体をマットレスから一旦離し戻す介助】を行うことをおすすめします。

浅座りの介助の手順

浅座りの介助をする際は、以下の手順で行うと体に負担が掛かりにくくなります。

1.介助者は右手で要介助者の右脇の下・右肩甲骨付近を支える(体を密着させた状態にする)
2.介助者は要介助者の体全体を右側へ傾け、要介助者の左側のお尻を浮かせる
3.左側のお尻が浮いた段階で、介助者は要介助者の左側の腰に左手を当て手前に引き、お尻を滑らせる
4.反対側も同様に行うことでお尻全体が前方へ移動し、浅座りになる


介助者の腰に掛かる負担を軽減するには、前かがみになる動作の時間をできるだけ少なくすることが大切です。適宜ベッドの高さを調整し、背中を伸ばし、膝をしっかり曲げて介助することを心がけてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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