動脈硬化の進行で起こる異変と腎動脈狭窄症について

動脈硬化の進行で起こる異変と腎動脈狭窄症について

動脈の内側にコレステロール等が溜まっていき、動脈の血管壁が硬くなり、弾力性が失われ血液の流れが悪くなった状態のことを動脈硬化と言います。この記事では、動脈硬化の進行で起こる異変と腎臓への影響について解説します。

動脈硬化の進行で起こる異変

動脈硬化になると、脳・心臓・足等に影響を及ぼし、以下の兆候が現れる可能性があります。そして、動脈硬化がさらに進行すると、血液の流れが著しく滞る・動脈(血管)が破裂する等により、命に危険が及ぶ疾患を引き起こすリスクが高まります。

・脳:めまい・頭痛・耳鳴り・呂律が回らない・手足が痺れる・力が入らない 等
・心臓:階段や坂道を歩くと動悸や息苦しさを感じる・急に動くと息苦しくなる・急に疲れやすくなった 等
・足:足が冷える・歩行中に太ももの裏やふくらはぎに痛みを感じる・安静状態で足が痛む・傷が治りにくくなる 等

腎動脈狭窄症について

腎臓で動脈硬化が起こると腎臓の動脈が狭くなり、腎動脈狭窄症を引き起こす可能性があります。腎動脈狭窄症は腎動脈(腹部大動脈から枝分かれし、左右の腎臓に血液を供給する血管)が狭くなる疾患であり、動脈硬化が主な原因と言われています。無症状で進行する場合もあるため、かつては発見が難しい疾患でしたが、超音波検査・CT検査等の進歩により腎動脈の状態を検査しやすくなったことで、発見しやすくなったと言われています。

腎動脈狭窄症を発症した方には、以下の特徴が現れる可能性があります。これらは単独で現れる場合もあれば、複数現れる場合もあり、複数の特徴が現れている際は腎動脈狭窄症の可能性が高くなると言われています。思い当たる項目がある際は、早めに専門の医療機関を受診しましょう。

・55歳を過ぎてから高血圧症を発症した
・高血圧症の薬を3錠以上服用しても改善しない
・眼底検査で網膜の動脈硬化を指摘された
・心臓・首・足いずれかの動脈が狭いと指摘された
・高血圧症の治療薬を飲み始めたら腎機能が低下した
・片方の腎臓が小さくなっていると指摘された
・原因がはっきりしない心不全で入院した経験がある


腎臓の細動脈に動脈硬化が起こると、腎硬化症を引き起こす可能性があります。腎動脈狭窄症と同様、腎硬化症もはっきりとした自覚症状が現れないことも多く、発見が遅れやすいと言われています。健康診断・人間ドック等で、健康状態を定期的に確認することをおすすめします。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生23-5077,商品開発部G

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