いびきと生活習慣病の関係性といびきの予防対策

いびきと生活習慣病の関係性といびきの予防対策

「いびきがうるさい」と何度も指摘されたことがある方は、生活習慣病のリスクが高まっている可能性があります。この記事では、いびきと生活習慣病の関係性といびきの予防対策について解説します。

いびきと生活習慣病の関係性

いびきとは、睡眠中に気道(鼻・口から取り入れた空気を肺まで送る「空気の通り道」)が狭くなり、空気が通る際に振動音が発生している状態です。睡眠中は、どのような方でも舌の付け根が喉の奥へ下がったり、周辺の筋肉が緩んだりすることで気道が狭くなりますが、何らかの原因で気道が過剰に狭くなると、いびきを発するようになります。

ひどいいびきをかいている状態は「酸素を上手く体内に取り込めていない状態」であり、血中酸素濃度が低下しています。不足した酸素を補うため、心臓は多くの血液を送り出そうと活動量を増やし、心拍数が上昇します。また、血中酸素濃度が低下すると二酸化炭素濃度が高くなり、血管が収縮します。この「心拍数の上昇」と「血管の収縮」は、高血圧を促進する原因になり、これらを繰り返すことで、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞等の深刻な疾患のリスクも高まります。

いびきをかく方の中でも、睡眠時無呼吸症候群の方は特に生活習慣病を合併しやすいと言われています。これは、健康な方の場合は睡眠時に血管障がいを修復するメカニズムが働きますが、睡眠時無呼吸症候群の方は睡眠の質が低下するため、このメカニズムが働きにくくなることが原因のひとつと言われています。大量にお酒を飲んだ際・疲労が溜まっている際等にかく「一時的ないびき」は問題ありませんが、慢性的にいびきをかいている方は注意が必要です。

いびきの予防対策

慢性的にいびきをかく方は、以下に当てはまることが多いと言われています。

・肥満:舌や喉の内側の脂肪量が多いため、気道が狭くなりやすい
・首が太く短い:肥満の方と同様、脂肪が多い可能性がある
・下顎が小さい:舌や喉の筋肉のサイズが小さく、舌が落ち込みやすい
・口を開けた状態で睡眠を取る(口呼吸):口が開いていると、舌が落ち込みやすい
・仰向けで睡眠を取る:重力等の影響で舌が落ち込みやすい
・何らかの疾患を発症している:疾患の影響でいびきをかいている可能性がある

簡単にできる対策としては「横向きで睡眠を取る」ことがおすすめです。横向きになることで舌が落ち込みにくくなるため、気道が狭くなることを防げます。睡眠中に仰向けになってしまう方は、抱き枕等を使ってみてください。肥満の方・太り気味の方は、健康維持のためにも食生活・運動習慣等を見直し、減量に取り組むことをおすすめします。


薬の影響や何らかの疾患が原因でいびきをかいている可能性がありますし、睡眠時無呼吸症候群を発症している場合には、医療機関での治療が必要になる可能性もあります。対策を取ってもいびきが解消しない方は、早めに医療機関を受診しましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生23-489,商品開発G

関連記事

  • 微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症の特徴と治療

    微小血管(びしょうけっかん)狭心症とは、心臓弁膜症等の疾患が認められず、直径100μm(マイクロメートル)以下の微小な冠動脈(かんどうみゃく)が充分に拡張しなかったり、著しく収縮したりすることで起こる狭心症です。この記事では、微小血管狭心症の特徴と治療について解説します。

  • 糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて

    糖尿病の方は皮膚トラブルが起こりやすく、皮膚トラブルが悪化すると壊疽(えそ:皮膚・皮下組織等が壊死し、黒く変色した状態)等に進行し、日常生活に支障を来す可能性があります。この記事では、糖尿病が引き起こす皮膚トラブルについて解説します。

  • 直腸がんの症状と予防対策

    直腸がんの症状と予防対策

    直腸は大腸の一部であり、15cmから20cm程度の長さがあります。上部から直腸S状部・上部直腸・下部直腸に分けられ、上部でS状結腸からつながり下部で肛門へとつながります。この記事では、直腸がんの症状と予防対策について解説します。