嚥下(えんげ)障がいと脱水症との関係について - 100年人生レシピ|認知症を考えるみんなのためのメディア

嚥下(えんげ)障がいと脱水症との関係について

嚥下(えんげ)とは、食べ物・飲み物を飲み込む動作のことです。嚥下障がいとは、嚥下動作が正常に行われなくなることであり、高齢者・認知症の方に起こる可能性があります。この記事では、嚥下障がいと脱水症との関係について解説します。

嚥下障がいが脱水症を引き起こす理由

嚥下障がいでは、食事中にむせる・食べ物が喉につかえる・食事に時間がかかり疲れを感じる等の変化・症状を引き起こす可能性があります。このような変化・症状は食事量の低下を引き起こし、食事から摂取する水分量が低下することで脱水症のリスクを高める恐れがあります。

また、高齢者・認知症の嚥下障がいでは、水の誤嚥(ごえん:本来は咽頭(いんとう)・食道を通過する食べ物・飲み物が誤って喉頭(こうとう)・気管に侵入する状態)が起こりやすいと言われています。誤嚥した際は、窒息する場合もあるほど非常に苦しい経験をする可能性があります。水の誤嚥でこのような経験をすると、水を飲むことに不安・恐怖を感じることで水分摂取量が著しく低下し、脱水症のリスクが高まる恐れがあります。

高齢者は、身体機能が低下している・喉の渇きを自覚しにくい状態である等の理由で、脱水症のリスクが元々高い傾向にあります。周囲にいらっしゃる方は、脱水症が疑われる症状(口の渇き・舌の乾燥・微熱・だるさ・立ちくらみ・脈の変化・食欲低下等)が現れていないか気を付けるようにし、こまめな水分摂取を促すようにしてください。

食事を摂る際の注意点

嚥下障がいは、喉の筋力低下等が主な原因であるため、呼吸トレーニング(腹式呼吸を意識し深呼吸をする等)・発音トレーニング(パ行・ラ行・タ行・マ行を一音ずつしっかりと発声する等)・口のトレーニング(頬を膨らます・へこませることを繰り返す等)・舌のトレーニング(口から舌を出す・引っ込めることを繰り返す等)で予防できる可能性があります。また、食事を摂る際、以下に気を付けることが予防につながる場合があります。

・急がずゆっくり食事を摂る
・口の中に食べ物を入れ過ぎない
・少量を口に入れるようにし、よく噛む習慣を付ける
・噛み切りにくい食材は、小さく切る
・喉の負担を小さくするため姿勢を正す
・テレビを見ながら食事を摂る・新聞を読みながら食事を摂る等を止める 等


脱水症が進行すると、唾液の分泌量が低下することで誤嚥が起こりやすくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。脱水症・誤嚥性肺炎は、どちらも高齢者・認知症の方に起こりやすく、命に危険が及ぶ可能性もあります。普段から予防対策に取り組むことを心がけ、気になる症状・変化に気付いた際は早めに医療機関を受診しましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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