非アルコール性脂肪肝炎(NASH)について

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)について

脂肪肝炎はアルコールの過剰摂取が原因というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、アルコールを摂取しない方が発症する可能性もあります。この記事では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)について解説します。

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)とは

非アルコール性脂肪肝炎は、アルコールの過剰摂取以外が原因で、全体の3割以上を占めるまでに肝臓に脂肪が蓄積した状態です。非アルコール性脂肪肝炎は、食べ過ぎや運動不足、肥満・糖尿病・脂質代謝異常症等の生活習慣病が主な原因と言われています。

非アルコール性脂肪肝炎が疑われる場合、一般的には、問診にて飲酒歴・体重の変化・生活習慣病の有無・その他の持病や内服薬の使用の有無等を確認され、血液検査でALT(肝臓の状態を表す数値)・血糖値・血中脂肪・ウイルス感染の有無・ホルモン分泌の状態等を調べ、超音波(エコー)・CT・MRI等の画像検査で肝臓の状態を調べます。その後、問診・血液検査・画像検査等により「脂肪肝炎である可能性が高い」と判断された場合、確定診断のため肝生検(肝臓の組織を調べる検査)を行う可能性があります。

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療方法

非アルコール性脂肪肝炎の治療では、肝臓の脂肪量を減らし、肝臓の脂肪がこれ以上増えないように生活習慣を見直す必要があります。基本的には、運動療法で肝臓の脂肪を燃焼させることで脂肪量を減らし、食事療法で脂肪の蓄積を防ぐ等の対策が取られます。

運動療法では、1日30分以上で週5日、または、1日60分以上で週3日の有酸素運動(速歩きのウォーキング・軽めのジョギング・水泳等)を継続して行い、1日5回程度の軽めの筋力トレーニングを併用すること等が指導される場合があります。食事療法では、エネルギーの摂取量と消費量のバランスを整えるため、必要に応じて食事量の制限を指導される場合があり、揚げ物を控える等して脂質の摂取を控える・間食を止める等して糖質の摂取を控える・食物繊維が豊富な食品(野菜類・海藻類等)を積極的に摂る等の指導が行われる場合もあります。


運動療法・食事療法等で改善が見られない場合、ビタミンE等の抗酸化剤や糖尿病治療薬等を使用した投薬治療が必要になる可能性があります。肝臓の状態・健康状態等により適した治療方法が変わる可能性があるため、健康診断等で指摘されたことがある方等は必ず医療機関を受診しましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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