【仕事と介護の両立支援】 「施設は嫌だ!」と親が拒否したら?

【仕事と介護の両立支援】 「施設は嫌だ!」と親が拒否したら?

「施設入居」を親に拒否されることは少なくありません。この記事では、「施設入居」を親に拒否された場合の対応について解説します。

「施設は嫌だ!」と親が拒否したら?

親の要介護度が重くなってくると、「施設に入ったほうが・・・」と考える人は多いと思います。しかし、親に提案しても「施設になんか入らない!」と一蹴されることが少なくありません。嫌がられると、強く勧めることもためらわれます。
Tさん(50代)も一人暮らしの母親に施設入居を勧めたところ拒否されました。母親が認知症と診断されて2年ほど経ちます。「コンロの火を消し忘れるのか、帰省した時、台所に焦げた鍋が複数あってビックリしました」とTさん。母親にはコンロの使用をやめるように言い、食事の宅配サービスを利用するようになりました。ところが、その後も、黒焦げの布巾を発見。「母親の担当ケアマネジャーと医師にも相談しました。もし火事を出せば、近隣にも多大な迷惑をかけるので、施設を探すことにしたのです。でも、母に話すと 『この家で死ぬんだ』 と怒りだしました」。
火事に限ったことではありませんが何らかの危険がある場合は、在宅の限界と言えるかもしれません。親の気持ちが頑なであれば、ケアマネジャーや医師から、直接本人に提案してもらいましょう。家族よりも第三者の言葉を受け入れる傾向があります。
施設とは相性もありますから、一緒に見学に出かけたり、可能であれば体験入居をしたりして、納得してもらいたいところです。老人保健施設に3か月程入ってもらい、慣れたところで本格的に「施設入居」という方法も考えられます。
いよいよとなってから検討すると、Tさんのところのようになりがちです。将来的に入居を視野に入れるなら、要介護度がそれほど重度でない頃から、ケアプランにショートステイを組み入れてもらうのも一案です。施設に慣れておいてもらえれば在宅から施設介護への移行がスムーズだと思います。
◇「入居前」に施設に慣れてもらう方法◇
 〇有料老人ホームに体験入居→自宅に戻らず、そのまま施設に入居
 〇特別養護老人ホーム のショートステイを毎月利用→その特別養護老人ホームに申込み→入居
 〇老人保健施設に「3か月入居」→グループ内の特別養護老人ホームや有料老人ホームに申込み→入居
提供元:介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子

生23-1632,商品開発G

関連記事

  • 血管迷走神経反射の原因と対処法

    血管迷走神経反射の原因と対処法

    血管迷走神経反射とは、何らかの刺激で迷走神経反射が起こり、血圧・心拍数が急激に低下する状態です。めまい等の影響で転倒した際に怪我をする恐れがあり、神経機能が低下している高齢者の方に起こりやすいと言われています。この記事では、血管迷走神経反射の原因と対処法について解説します。

  • 肝臓がアルコールを代謝する仕組みと摂り過ぎによる影響

    肝臓がアルコールを代謝する仕組みと摂り過...

    肝臓には、吸収した栄養を利用しやすい物質に変える・栄養を貯蔵する・必要に応じエネルギーを作り出す・不要な物質や有がい物質を解毒し排泄する等の働きがあります。また、肝臓は、アルコールの代謝【体内で行われる化学反応】にも関わっています。この記事では、肝臓がアルコールを代謝する仕組みと摂り過ぎによる影響について解説します。

  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療内容と日常生活の注意点

    COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療内容と...

    COPD(慢性閉塞性肺疾患)を発症すると、咳・痰・息切れ等の症状が現れ、進行すると少し動いただけでも息切れするようになり、呼吸不全・心不全等を引き起こし命に危険が及ぶ可能性があります。この記事では、COPDの治療内容と日常生活の注意点について解説します。