認知症の検査法、MMSE(ミニメンタルステート検査)とは

認知症の検査法、MMSE(ミニメンタルステート検査)とは

認知症の検査方法のひとつに、MMSE(ミニメンタルステート検査)があります。この記事では、MMSEの目的や方法、採点結果について解説します。

MMSE(ミニメンタルステート検査)とは

MMSEは、認知障がいを測定するために開発された検査法です。1975年の発表以来、認知症のリスクが高い方を見つける検査として活用されています。所要時間は10~15分で、見当識や単語、計算、図形の描画など11の設問から構成されています。

MMSEの設問内容

MMSEの設問内容の概要は、以下のとおりです。

1. 日時等の見当識(1項目1点/全問正解で5点)
今年の西暦または元号の年数、今の季節、今日の月、今日の日付、今日の曜日を尋ねます。

2. 場所の見当識(1項目1点/全問正解で5点)
検査を受けている場所、建物の階数、現在いる都道府県、市、地方を尋ねます。

3. 言葉の記銘(1項目1点/全問正解で3点)
質問者が「桜・猫・電車」などの3つの単語を1つずつ言った後、その単語を繰り返してもらいます。

4. 計算(1項目1点/全問正解で5点)
例えば100から7を引いていく計算を、5回まで繰り返してもらいます。

5. 言葉の遅延再生(1項目1点/全問正解で3点)
3で復唱した3つの単語を思い出してもらいます。

6. 物品呼称(1項目1点/全問正解で2点)
時計や鉛筆などの物品を1つずつ見せて「これは何ですか」と尋ねます。

7. 長文復唱(1項目1点/全問正解で1点)
「みんなで力を合わせて綱を引きます」の様な、ある程度長い文章を言った後、復唱してもらいます。

8. 口頭による3段階命令(1項目1点/全問正解で3点)
紙を差し出しながら、口頭でゆっくりと「右手(麻痺があるなら左手)でこの紙を持ってください。次に、それを半分に折りたたんでください。そして私にください」と指示し、順番に実行してもらいます。

9. 書字の理解・指示(1項目1点/全問正解で1点)
「この文を読んで、その指示どおりに従ってください」と口頭で伝え、「目を閉じなさい」という文章を見せ、そこに書かれた指示を行ってもらいます。

10. 自発書字(1項目1点/全問正解で1点)
「ここに何か文章を書いてください」と伝え、紙と鉛筆を渡します。文章の体をなしていて、全体の意味が通っていれば1点加算します。

11. 図形の描写(1項目1点/全問正解で1点)
「ここに書かれている図形と同じものを書いてください」と伝えてテスト用の図形を見せ、紙と鉛筆を渡します。

合計点数が27~30点の場合は正常、22~26点では軽度認知症の疑い、21点以下で認知症の疑いが強いと判定されます。

ただし、本人の体調が思わしくない、質問の仕方が適切でないなどの理由で、正しい結果が得られないこともあります。認知機能の低下や認知症が気になる場合は、もの忘れ外来など、専門の医療機関で検査を受けましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

生21-3538,商品開発G

関連記事