COPD(慢性閉塞性肺疾患)の主な原因と検査内容

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の主な原因と検査内容

COPDとは「Chronic Obstructive Pulmonary Disease」の略であり、日本語では「慢性閉塞性肺疾患」と言います。この記事では、COPDの主な原因と検査内容について解説します。

COPDの主な原因

COPDは、「肺の生活習慣病」とも言われ、タバコの煙等の有毒ガス・粒子等に長期間さらされることで発症する、慢性、かつ、進行性の気管支・肺疾患です。なお、以前は咳・痰が多くなる「気管支炎」と、肺組織が破壊され呼吸困難の原因となる「肺気腫」に分類されていましたが、現在はCOPDとしてまとめられています。初期に自覚症状が現れにくく、炎症や肺組織の破壊が進行した状態になると、慢性的な咳や痰・労作時呼吸困難(体を動かす際に息苦しくなること)・喘鳴(ぜいめい:呼吸する際にゼーゼー等の音がすること)等が現れます。

COPDの主な原因は「タバコの煙」であり、以下で挙げる項目もCOPDの原因になります。タバコの煙の粒子は非常に小さく、肺の奥まで入り込みやすいという特徴があり、特に悪影響があるとされているニコチン・タール・一酸化炭素は、吸い込んだ際に気道・肺等を傷付けながら入り込んでいきます。なお、喫煙者本人だけでなく、受動喫煙として煙を吸い込んだ方も発症リスクが高まるため、注意が必要です。

・大気汚染物質:工場等の煙・排気ガス・黄砂・PM2.5 等
・粉塵・化学物質:職業上吸い込む可能性がある蒸気・煙等に含まれる物質
・加齢
・低出生体重児(出生時の体重が2500g未満の新生児)・呼吸器の感染症等の既往歴
・遺伝的要因 等

COPDの検査内容

胸部レントゲン検査ではCOPDによる異常を検出しにくいため、スパイロメーターを使用する検査で呼吸機能の状態を確認し、喫煙歴等のリスク因子・労作時呼吸困難や慢性的な咳や痰の状態等を総合的に判断し、COPDの診断を行います。この検査に食事制限等の必要はなく、専用のマウスピースをくわえ呼吸をするだけの検査のため、検査自体は一般的に5分から10分程度で終了します。


COPDが悪化すると、息苦しさから全身の運動量・活動量・食事量が低下し、これに伴い筋力・骨密度が低下し、内臓脂肪型肥満も進行していきます。また、COPDが要因の体調不良は、運動量・食事量を更に低下させ、全身の機能低下を早める可能性もあります。COPDは、発症・悪化前に対策を講じることが大切です。喫煙歴が長い方・周囲に喫煙者がいて最近息苦しさを感じるようになったという方は、早めに医療機関に相談することをおすすめします。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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