タバコに含まれる有がい物質とタールの及ぼす影響について

タバコに含まれる有がい物質とタールの及ぼす影響について

喫煙に健康上のリスクがあることはご存知かと思いますが、どのような物質が影響するのでしょうか。この記事では、タバコに含まれる有がい物質とタールの及ぼす影響について解説します。

タバコに含まれる有がい物質

タバコの煙には、タバコの葉が燃えることで発生する燃焼副生成物が含まれています。燃焼副生成物に含まれる化学物質は数千種類から数万種類あり、有がい性・発がん性がある物質も数多く存在すると言われています。タバコの煙には、タール・ニコチン・一酸化炭素等の代表的な有がい物質の他、アセトン・ヒ素・カドミウム等の毒性のある物質も含まれています。

なお、喫煙者自身が吸い込むタバコの煙を主流煙、空気中に広がる煙を副流煙と言いますが、有がい物質は副流煙にも含まれています。副流煙に含まれる有がい物質は主流煙の数倍にも及ぶ可能性があり、タバコの煙にさらされる機会が多い方は非喫煙者であってもリスクが高くなる可能性があります。

タールの及ぼす影響

タバコの煙から一酸化炭素やガス状の成分を取り除くと、粒子状の成分が残ります。この粒子状の成分を集めたものをタールと言います。タールとは俗に言う「タバコのヤニ」のことです。喫煙者の歯が黄色くなる・喫煙する部屋の壁紙が黄色くなる等が起こるのは歯や壁紙にタールが付着することが原因であり、「タバコ臭さ」にもタールが関係していると言われています。なお、タールには様々な発がん性物質が含まれ、喉頭がん・肺がん・肝臓がん等の発症リスクと関係していると言われています。

ニコチンはタールに含まれる代表的な物質であり、タバコへの依存を強くすると言われています。このことには、ニコチンが脳に到達するとドーパミン(楽しいことをしている際・満腹になった際等に放出される「心地良い状態」へと促す神経伝達物質)が放出されることが関係しており、ニコチンには「早く吸収され早く消失する」という特徴があるため、脳が快感を求めてニコチンを得るようになり、タバコを吸いたいという欲求が強くなっていくことで依存性が高まると考えられています。


1本のタバコに含まれている有がい物質の量はわずかかもしれませんが、喫煙歴が長いほど肺への影響は強くなっていくと言われています。周囲の方も副流煙を吸うことで影響される可能性があるため、喫煙習慣のある方は喫煙マナーを守り、可能であれば禁煙・減煙に取り組むことをおすすめします。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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