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記憶の仕組みと記憶力を保つ対策

年齢を重ねると、記憶できない・物忘れが増える等の悩みが目立つようになります。この記事では、記憶の仕組みと記憶力を保つ対策について解説します。

記憶の仕組みについて

人間の脳は、以下の流れで物事を記憶すると考えられています。

1.受け取った情報を記銘(きめい)【記憶の第一段階であり、 新しい経験を受け入れ覚え込むこと】する(※1)
2.記銘した情報がなくならないよう保持する(※2)
3.保持した情報を必要に応じて思い起こし使用する

これらの作業は、主に海馬【大脳辺縁系の一部で、新しく受け取った情報を一時的に記憶する役割がある】と大脳皮質【大脳の表面を覆うように存在する大脳の一部。思考・記憶を司る】で行われています。海馬は(※1、※2)に大きく関わると言われており、海馬に長く留まっている記憶のみが睡眠中に大脳皮質に転送され、長期記憶になると考えられています。

なお、以下が原因で脳全体の機能が低下したり、海馬から大脳皮質への記憶転送に支障が生じるようになると、記憶力が低下する可能性があります。

●ストレス
ストレスを受けると脳に負担がかかります。この状態が長期間続くと、脳に疲労が蓄積し、脳全体の機能低下を引き起こす可能性があります。

●睡眠不足
海馬に記銘・保持された短期記憶は、大脳皮質に転送され長期記憶として定着します。しかし、睡眠不足が続くとレム睡眠【眠りが浅い状態】・ノンレム睡眠【眠りが深い状態】のバランスが乱れ、記憶の転送・定着に支障が生じやすくなり、その結果として記憶力が低下する可能性があります。

●生活習慣の乱れ
生活リズムが乱れた状態【昼夜逆転の生活を送っている等】が続くと、日中もぼーっとした状態が続くようになります。また、食欲の低下・食事内容の偏り等による栄養不足は、脳全体の機能低下を引き起こす可能性があり、生活習慣の乱れ【生活リズムの乱れ・食生活の乱れ等】を引き起こす可能性もあります。このような生活習慣の乱れにストレス・睡眠不足が重なると、記憶力はさらに低下しやすくなると言われています。

記憶力を保つ対策

記憶力を保つには、早寝・早起きをする、1日3回の食事を決まった時間に摂る等、規則正しい生活習慣を心がけることがおすすめです。また、記憶を保持・定着しやすくするためには、以下の対策が役立つ可能性があります。

・情報を噛みくだいて他人に教える:記憶が定着しやすくなり、記憶を整理することにも役立つ。
・記憶したいことを声に出す・手を使って書き出す:視覚・聴覚を介して記憶することができる。
・運動しながら記憶する:運動することで脳への血流が促され、ストレス発散にもつながる。


ストレス・睡眠不足等による一時的な記憶力の低下であれば問題ありませんが、記憶力の低下には何らかの疾患が関係している可能性もあります。長期間続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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