十二指腸乳頭部がんの症状と治療内容

十二指腸乳頭部がんの症状と治療内容

十二指腸乳頭部(ファーター乳頭)に発生したがんが進行すると、大がかりな治療が必要になる可能性があります。この記事では、十二指腸乳頭部がんの症状と治療内容について解説します。

十二指腸乳頭部がんの症状

十二指腸乳頭部は、十二指腸の中心付近にある胆管(たんかん)と膵管(すいかん)が合流する部位であり、胆管からは肝臓で作られた胆汁が分泌され、膵管からは膵臓で作られた膵液が分泌されます。胆汁・膵液は、胃から十二指腸へと食べ物が送られた際に、十二指腸乳頭部から押し出されるように分泌されます。

十二指腸乳頭部に発生する腫瘍には良性腫瘍(十二指腸乳頭部腺腫)・悪性腫瘍(十二指腸乳頭部がん)があり、良性腫瘍はがんになる前の前がん病変の状態であるとされており、放置すると悪性腫瘍(がん)に進行する可能性があります。

十二指腸乳頭部の腫瘍は、良性・悪性に関わらず無症状で進行することが多いと言われています。大きくなった腫瘍が胆管・膵管の出口を塞ぐと、胆汁・膵液が分泌されなくなり、消化・吸収・代謝に影響が及び、黄疸・発熱・腹痛等の症状が現れます。なお、黄疸は胆汁の流れが滞りビリルビン【赤血球が分解され発生した黄色い色素】が血中に増えることで起こり、発熱・腹痛は膵液の流れが滞り、膵炎を発症することで起こります。

また、がんが進行し胆道を塞ぐようになると、血液検査の肝機能に関わる項目に異常を示す可能性があり、腫瘍が崩れ潰瘍の状態になると、消化管出血・貧血等の症状が現れる場合があります。

十二指腸乳頭部がんの治療内容

十二指腸乳頭部がん・十二指腸乳頭部腺腫が発見された場合は、第一選択として以下の手術療法が検討されます。どの方法も数週間の入院が必要であり、体に負担がかかりますが、手術でがんの病変部位を取り除くことができれば、根治の可能性が高くなると言われています。なお、がんの進行度・体の状態により手術が難しいと判断された場合は、抗がん剤による化学療法が検討されます。

・内視鏡下乳頭切除術:前がん病変である十二指腸乳頭部腺腫、または早期がんの場合に検討される。
・小さな開腹創による手術:初期がんの場合、または体の状態等により、大きな手術が困難と判断された場合に検討される。
・膵頭十二指腸切除術:十二指腸・膵臓の頭部・下部胆管・胆嚢(たんのう)を切除する手術。ある程度進行し、乳頭部の切除だけでは根治が難しいと判断された場合に検討される。


十二指腸乳頭部がん・十二指腸乳頭部腺腫は、健康診断・検診・人間ドック等の胃内視鏡検査で発見されることが多く、定期的に検査を受けることが早期発見につながります。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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