抗がん剤の副作用について

抗がん剤の副作用について

化学療法とは、抗がん剤の作用でがん細胞の増殖を抑えたり、がん細胞を攻撃したりするがん治療です。抗がん剤は、風邪薬・頭痛薬等のような日常で使われている薬より副作用が大きい傾向にあり、化学療法では副作用を管理しながら治療が進められます。この記事では、抗がん剤の副作用について解説します。

抗がん剤の主な副作用

抗がん剤を使用した際の主な副作用として以下が挙げられます。また、抗がん剤投与から数時間、または数日のうちに、頭痛・微熱・倦怠感・疲労感・悪寒・筋肉痛等の風邪様(かぜよう)症状【風邪に似た症状】が、以下の症状と共に現れる可能性があります。このような抗がん剤による風邪様症状は、2日から3日程度続く可能性があります。

・貧血
・吐き気・おう吐
・下痢
・皮膚の乾燥・炎症
・末梢神経障がい【手足・口の周り等に起こる痛み・しびれ等の症状】
・血小板減少
・白血球減少
・脱毛 等

副作用で微熱が出た際の注意点

抗がん剤の副作用で微熱が出た際は、以下を行うことが推奨されています。なお、抗がん剤治療中は白血球・好中球等が減少するため、免疫機能が低下し、感染症にかかりやすい状態になります。37.5℃以上の発熱がある際は、抗がん剤の副作用による風邪様症状ではなく何らかの感染症を患っている可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。

・同じ時間帯に体温を測定・記録する:体温の上下幅を記録することが状態の把握につながり、適切な治療にも役立つ。
・感染症対策に取り組む:抗がん剤治療中は免疫が低下しているため、普通の風邪と同様、こまめな手洗い・うがい等の感染症対策が大切になる。
・必要に応じ、解熱剤を服用する:著しく体力が消耗している・強い疲労感が生じている際は、症状を緩和し体力を温存することが大切になる。可能であれば、しっかり食事を摂るようにする。

副作用が現れた後の治療について

抗がん剤治療により副作用が現れた後に治療を中止するかどうかについての判断は、治療を受けている方の状態・副作用の程度・治療の目的等により変わります。通常、抗がん剤治療は治療計画【薬剤の投与日・休薬日・投与スケジュール等】を立てた上で行われますが、副作用が強く現れている場合は、その後の治療計画を見直す可能性があります。

ただし、抗がん剤治療を中止すると、免疫低下・体力低下等のリスクが生じます。このため、基本的には抗がん剤治療を中止することは少なく、抗がん剤の種類・量・投与方法・投与間隔を調整することで対処することが多いと言われています。


副作用が少なく体質に合う抗がん剤は、個人個人で異なると言われています。抗がん剤治療の副作用で辛さを感じている場合は、早めに医療機関に相談するようにしてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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