高血圧でリスクが高まる疾患と処方される利尿薬 - 100年人生レシピ|認知症を考えるみんなのためのメディア

高血圧でリスクが高まる疾患と処方される利尿薬

高血圧の治療では、医療機関の指導の下による食生活・生活習慣等の見直しとともに、利尿薬が使われる可能性があります。この記事では、高血圧でリスクが高まる疾患と処方される利尿薬について解説します。

高血圧でリスクが高まる疾患

高血圧が長期間続くと、血液の圧力による負担が血管壁にかかり続けることになります。この状態が続くと、血管壁にダメージが蓄積することで動脈硬化を引き起こし、血管がもろくなったり、血管の内腔が狭くなったりする可能性があります。また、高血圧による血管への負担は、以下の疾患のリスクを高める可能性があります。

・脳卒中:脳梗塞・くも膜下出血・脳出血等。
・心疾患(高血圧性心疾患):心肥大・冠動脈疾患・不整脈・狭心症・心不全・心筋梗塞等。
・高血圧性網膜症:初期に自覚症状がほとんど現れず、網膜剥離により著しく視力が低下する可能性がある。
・腎疾患:腎臓内に存在する毛細血管の働きが悪化することで、腎機能が低下し、腎不全に進行する恐れがある。腎機能が低下すると、高血圧がさらに悪化しやすくなり、糖尿病・脂質異常症・肥満等のリスクも高まる。

高血圧で処方される利尿薬

利尿薬を服用すると塩分(ナトリウム)の排泄が促され、尿量増加・体液量減少が起こり、その結果として心拍出量が減少し、血圧が下がります。高血圧の治療では、以下の利尿薬が処方される可能性があり、血圧を低下させることで心臓・血管への負担の軽減を目指します。

●ループ利尿薬
腎臓に存在するヘンレループ【腎臓の近位尿細管から遠位尿細管を指す管状の器官。水分を再吸収し、血液中に戻す働きがある】の水分移動を妨げることで尿量を増加し、血圧を低下させます。フロセミド製剤・トラセミド製剤等があり、吐き気・食欲不振・頭痛・めまい・聴覚障がい・低カリウム血症等の副作用が現れる可能性があります。

●サイアザイド系利尿薬
腎臓の尿細管で行われている水分・ナトリウムイオンの再吸収を抑え、水分・ナトリウムイオンの排出を促すことで血圧を低下させます。インダパミド製剤・ベンチルヒドロクロロチアジド製剤等があり、めまい・頭痛・光線過敏症・発疹等の副作用が現れる可能性があります。

●アルドステロン拮抗(きっこう)薬
アルドステロン【尿細管に作用し、血圧上昇等に関わる体内物質】の働きを妨げることで、血圧を低下させます。エプレレノン製剤等があり、めまい・頭痛・吐き気・下痢・便秘・筋力低下・しびれ・不整脈等の副作用が現れる可能性があります。


利尿薬服用中に、上記のような副作用が疑われる症状に気づいた際は、薬の種類・服用量等の変更が必要になる可能性があるため、早めに医療機関に相談してください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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