くも膜下出血のリスク要因と予防対策

くも膜下出血のリスク要因と予防対策

くも膜下出血とは、脳卒中(脳梗塞・くも膜下出血・脳出血等)と呼ばれる脳血管疾患の一種です。この記事では、くも膜下出血のリスク要因と予防対策について解説します。

くも膜下出血のリスク要因

くも膜下出血とは、くも膜下腔(くも膜と軟膜の間にある空間)を走行する動脈が裂ける等し、出血することで発症します。外傷を除くと、動脈瘤の破裂が主な原因であり、主なリスク要因として以下が挙げられます。

●高血圧
高血圧の方は、血管にかかる負担が大きいため動脈瘤が破裂しやすく、くも膜下出血のリスクも高くなります。

●喫煙・飲酒習慣
因果関係は判明していませんが、少量でも喫煙習慣がある方は、そうでない方に比べてくも膜下出血のリスクが高いと言われています。また、過度な飲酒習慣も、くも膜下出血のリスクを高めると言われています。

●ストレス・性ホルモンの減少
強いストレスや更年期に起こる性ホルモンの減少は、血管を傷付ける原因になる可能性があり、くも膜下出血の発症リスクを高めると言われています。
   
●家族・親戚等の既往歴
脳卒中の既往歴がある家族・親戚がいる方は、そうでない方に比べ、くも膜下出血のリスクが高いと言われています。

●輸血経験がある方
因果関係は判明していませんが、輸血経験がある方は、そうでない方に比べ、くも膜下出血のリスクが高いと言われています。

くも膜下出血の予防対策

くも膜下出血を予防するには、以下の生活習慣を見直すことがおすすめです。

・血圧を毎日測定し、高血圧や血圧の乱高下等の異常が見られた際は医療機関を受診する
・高血圧を予防するため減塩を心がけ、塩分の排出を促すカリウム・食物繊維を含む野菜類を積極的に摂る
・飲酒する方は適量を心がける
・喫煙習慣がある方は減煙に取り組み、可能であれば禁煙する
・ストレスをこまめに解消する
・突然の頭痛・頭の違和感・目の痛み・見え方の異常・吐き気・めまい等、くも膜下出血が疑われる症状に気付いた際は医療機関を受診する


くも膜下出血を予防するためには、上記で紹介した生活習慣の見直しと併せて、定期的に脳ドックを受けることもおすすめです。脳ドックとは、頭部MRI・頭部MRA・頸部エコー検査等を行い、脳の疾患の有無や健康状態を確認する「脳の健康診断」になります。通常の健康診断では見つけられないくも膜下出血の兆候も見つかる可能性があります。特に、くも膜下出血のリスク要因をお持ちの方でまだ受けたことがない方は、体調に異常がない場合でも脳ドック等で定期的に脳の健康状態を確認することをおすすめします。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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