一過性脳虚血発作の原因と症状について - 100年人生レシピ|認知症を考えるみんなのためのメディア

一過性脳虚血発作の原因と症状について

一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ:TIA)とは、脳が虚血(必要な量の血液が流入しなくなり、十分な栄養・酸素が細胞等に供給されなくなる状態)になり、一時的な神経症状を引き起こす疾患です。この記事では、一過性脳虚血発作の原因と症状について解説します。

一過性脳虚血発作の原因

一過性脳虚血発作の主な原因として、以下が挙げられます。

●頸動脈等に生じた血栓による一時的な梗塞
梗塞とは、何らかの原因で血管がふさがれ、その先の組織に壊死等が起こった状態です。頸動脈等、頭部の近くにある太い血管に生じた血栓の一部が剥がれ、剥がれた血栓が血流に乗り、脳に運ばれ血管で詰まることで発症します。一過性脳虚血発作では、血栓が短時間で自然に融解し症状が回復します。

●心臓内に生じた血栓による一時的な梗塞
心房細動(不整脈の一種。心房が痙攣し、心機能が低下する疾患)・心臓弁膜症(心臓にある弁の機能に問題が起こる疾患)等が原因で心臓内に血栓が生じ、その血栓が血流に乗り、脳に運ばれ血管で詰まることで発症します。心原性脳塞栓症(心臓に発生した血栓が原因の脳梗塞)と同じ原理で発生しますが、血栓が短時間で自然に融解し症状が回復すると、一過性脳虚血発作と診断される可能性があります。

●脳内の血管の狭窄
動脈硬化等が原因で脳内の大きな血管が狭くなっている方に、一時的に急激な血圧低下が起こり、脳への血流が低下することで生じる一過性脳虚血発作です。血圧が上昇すると症状が回復します。

一過性脳虚血発作の症状の特徴

一過性脳虚血発作の代表的な症状として、以下が挙げられます。

・感覚障がい:片側の手足・顔面等にしびれ・麻痺等が起こる 等
・運動障がい:片側の手足・顔面等を上手く動かせなくなる 等
・歩行障がい:歩行が不安定になる・上手く歩けなくなる 等
・言語障がい:言葉が出ない・呂律が回らない 等
・意識障がい:ぼーっとする・居場所や時間等が分からなくなる 等
・視野障がい:一時的に片目が見えなくなる 等

脳梗塞でも似た症状が現れますが、虚血の原因が梗塞とは限らないこと・症状が一時的ですぐに治まること等により、脳梗塞と区別されます。なお、一過性脳虚血発作を起こした方の一部は、将来的に脳梗塞を発症する可能性があると言われています。


一過性脳虚血発作は脳梗塞の「前触れ発作」「警告発作」と呼ばれることがあり、緊急治療が必要になる可能性もあります。疑われる症状に気付いた際は、すぐに医療機関を受診しましょう。なお、1時間以内に症状が治まった場合でも治療が必要になる可能性があるため、必ず受診するようにしてください。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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