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小腸がんの種類と治療内容

小腸がんは比較的まれな疾患であり、初期症状が現れにくいため発見が遅れやすいと言われています。この記事では、小腸がんの種類と治療内容について解説します。

小腸がんの種類

小腸がんでは、神経内分泌腫瘍・腺がんが見られることが多いと言われています。

●神経内分泌腫瘍
神経内分泌腫瘍とは、内分泌細胞【消化促進作用があるホルモンを分泌する細胞】に発生し、病態に応じNET・NECに分けられます。

・NET:他のがんと比較すると進行が緩やかであり、ホルモン産生症状【血管に働きかける作用があるホルモンの過剰分泌により起こる顔の紅潮・ほてり・下痢・腹痛等の症状】が現れる可能性がある。心不全のリスクが高まる可能性があり、肝臓に転移しやすい傾向にある。
・NEC:進行が速く、悪性度が高いとされている。小さい段階でも他臓器へ転移する場合があり、進行した状態で発見されることも多い。ホルモン産生症状はあまり現れない。

●腺がん
初期の腺がんでは目立った症状は現れず、進行に伴い腸閉塞・下血・貧血等の症状が現れる傾向にあります。以下の疾患は、腺がんの発症リスクを高める可能性があると言われています。

・クローン病・潰瘍性大腸炎【炎症性腸疾患】
・ポリポーシス【腸に無数のポリープが発生する疾患】
・吸収不良症候群【腸の消化・吸収が正常に行われなくなる疾患】
・リンチ症候群【遺伝性疾患】 等

小腸がんの治療内容

NET・NEC・腺がんでは、以下のように治療内容が異なります。

●NET
NETでは、一般的に手術による切除が選択されることが多く、切除が難しい場合等に薬物療法が検討されます。

・手術:他臓器への転移が認められない場合は基本的には外科手術を行い、小腸がん・周囲のリンパ節を切除する。
・内視鏡治療:内視鏡が届く範囲内に存在する小さな小腸がんについては、内視鏡治療が行われる可能性がある。
・薬物療法:手術が行えない場合・手術で完全に切除できない場合等に行われる可能性がある。

●NEC
NECは診断時に他臓器への転移が見られることが多いため、抗がん剤による治療が基本になると言われています。小腸・周辺のリンパ節のみにがんが見られる際は、手術と抗がん剤を組み合わせた治療が行われる可能性があります。

●腺がん
腺がんの治療内容はがんの深さ・転移の有無などにより異なり、ステージⅠからステージⅢでは内視鏡・手術での切除が基本となり、ステージⅣ・術後に再発した場合は化学療法による治療が検討されます。なお、ステージⅠからステージⅢでも、転移が見られる場合は抗がん剤による治療が検討される可能性があります。


小腸がんが進行し胆汁の出口を塞いだ場合は、黄疸が現れる可能性があります。また、小腸がんが十二指腸より先の部位に発生した場合は通常の内視鏡による検査ができないため、便潜血検査や症状の発現等がきっかけとなり発見される場合があります。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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