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高血圧が原因で起こる心不全について

心不全とは、心機能の低下により全身に十分な量の血液が送れなくなる疾患であり、高血圧が原因で起こる可能性があります。この記事では、高血圧が原因で起こる心不全について解説します。

高血圧が原因で起こる心不全の種類

高血圧が原因で起こる心不全として、収縮機能不全(収縮不全)と拡張機能不全(拡張不全)が挙げられます。

●収縮機能不全
収縮機能不全とは、心臓が収縮する機能が低下することで十分に血液を送り出せなくなる状態です。収縮機能不全を起こすと、心臓に戻ってくる血液量に見合う量の血液を送り出すことができなくなり、心室に血液が溜まるようになります。

高血圧が続くと血管壁に強い圧力がかかり、冠動脈(かんどうみゃく)【心臓に血液を供給する血管】に動脈硬化が起こるリスクが高まります。また、肥満・糖尿病・脂質異常症等の疾患は、高血圧と合併することで動脈硬化の進行を促し、狭心症・心筋梗塞のリスクを高めます。この影響で心筋の機能が低下すると収縮機能も低下する可能性があり、収縮機能不全のリスクも高まる可能性があります。

●拡張機能不全
拡張機能不全とは、心臓が硬くなることで心臓が十分に拡張できなくなり、心臓に血液を取り込めなくなる状態です。この状態になると、血液が肺静脈から心臓へ戻ってこられなくなり、肺に血液が留まるようになります。

高血圧の状態が長期間続くことは、心臓に負担がかかります。心臓に負担がかかり続けると、負担に耐えるため心筋細胞の肥大化・間質線維成分の増加等が進むことで心臓が硬くなり、十分に拡張できなくなる可能性があります。拡張機能不全は収縮機能に異常が見られないため発見が遅れやすく、高齢者の発症率が高い傾向にあると言われています。

心不全と血圧管理について

心不全は、何らかの原因で心機能が低下することで起こります。心不全の治療では原因疾患の治療が大切になってきますが、高血圧の状態でいることは心筋に負担をかけるため、血圧管理も大切であると考えられています。血圧管理では、血圧計測・減塩・体重管理・運動の習慣化・禁酒(減酒)等の生活習慣の見直しについて指導が行われ、必要に応じて降圧剤が処方される可能性があります。


狭心症・心筋梗塞・弁膜症等の疾患が原因の心不全では、必要と判断された場合にバルーン療法【冠動脈に医療用の風船(バルーン)を入れて膨らませることで動脈の血流を促す治療方法】・冠動脈バイパス手術【冠動脈に迂回路を作る手術】・人工弁置換術【心臓・大動脈の弁を人工弁に取り替える手術】等が検討される可能性があります。ただし、心機能が著しく低下している状態では、これらの治療を行っても期待した回復が見られない場合があります。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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