がん治療におけるセカンドオピニオンについて

がん治療におけるセカンドオピニオンについて

セカンドオピニオンとは、現在治療を受けている医療機関や担当している医師と違う医療機関・医師に、中立的な第2の意見を求めることです。この記事では、セカンドオピニオンの受け方について解説します。

セカンドオピニオンを受けるタイミングについて

一般的に、疾患の治療は以下の段階を経て進んでいきます。

1.病状の評価:問診・画像検査・細胞生検等を行い、治療を受ける方の症状・進行度等を確認する。
2.治療方針の検討:1.をもとに診断を行い、治療方針を担当医が提案する。その後、治療を受ける方と担当医で話し合いが行われ、治療方針が決定する。
3.治療開始:1.2.の情報と治療を受ける方の希望を考慮し、治療を開始する

基本的には、セカンドオピニオンは「2.治療方針の検討」の段階で受けることが好ましいと言われています。これは、1. はまだ情報を集めている段階であり、セカンドオピニオンを受けるために必要である「疾患の基本的な情報」が不足しています。このため、この段階でセカンドオピニオンを受けても、適切な意見を得られない可能性があります。また、3.の段階ではすでに治療が開始されているため、セカンドオピニオンの意見を治療に反映させることが難しくなる可能性があります。特に、現在の担当医とセカンドオピニオンを受けた医師とで治療方針が異なる場合は、変更が難しくなる傾向にあります。

なお、進行等により病状の評価が再度必要になる場面があります。この場合は、2.の段階で、その都度セカンドオピニオンを受けることをおすすめします。

医療機関を選ぶ際のポイント

がん治療を行っている医療機関では、セカンドオピニオン外来を設置しているところがあります。セカンドオピニオン外来では、通常の診療とは異なる窓口を設けることでセカンドオピニオンを希望される方を滞りなく案内できるようになっており、時間をかけて情報を提供できるようにもなっています。

なお、セカンドオピニオン外来を設置している医療機関は、各地のがん相談支援センターで確認できるため、医療機関を探す際は問い合わせてみてください。また、「担当医から手術を勧められているが、放射線治療を検討したい」等、治療方針に関して具体的な希望がある場合は、希望する治療方針の専門医に相談することをおすすめします。


セカンドオピニオンを受ける際は、まずファーストオピニオンについて現在の担当医からきちんと説明を受け、セカンドオピニオンで質問したいことを整理するようにしましょう。また、現在の担当医にセカンドオピニオンを希望している旨を伝え、必要な書類・記録等を準備してもらう必要もあります。
※セカンドオピニオン外来は、基本的に自費診療になるため、医療機関により費用が異なります。
提供元:株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ

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